HK MG5機関銃はドイツのヘッケラー&コッホ社(H&K)が開発したベルト給弾の7.62×51mm汎用機関銃で、50年以上に渡って使用されたきたラインメタルMG3機関銃の後継機です。
開発経緯
MG3機関銃(写真上)は第二次大戦中のナチス・ドイツのグロスフスMG42をベースに開発され、1959年に西ドイツ軍に採用されました。以後、60年以上に渡って分隊支援火器、車両搭載火器として使用されてきました。しかし、次第に老朽化、前近代の兵器になっており、次期汎用機関銃の必要性が高まり、2010年にHK121という名で次期機関銃の開発がスタートします。設計はH&K社が2005年に開発した5.56×45 mmNATO弾基準のHK MG4軽機関銃(写真下)をベースに7.62×51mm弾基準に改修行います。そのため、デザインはMG4とそっくりです。2013年にテストが行われ評価を得てドイツ連邦軍の次期汎用機関銃として採用されるとHK121という名は止め”MG5”という名に変更されます。その後、ドイツ国防省は2億ユーロ、12,733挺の調達をH&K社結びます。2015年から配備が開始され、2022年までにすべてのMG3はMG5に置き換わる予定です。MG3は歩兵、車載用、対空兵器として幅広く使われており、これら全てがMG5に置き換わることになります。
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スペック
MG5は、ロングストロークピストンガス方式を採用し、射撃はフルオートのみでオープンボルト方式で発射されます。MG5はMG4をベースにしていますが、7.62mmと5.56mmと口径とサイズが異なり、交換可能なパーツはほとんどなく互換性はありません。MG3とはインターフェイス部分でバイポッドとマウントに互換性があり、装備していたサイトなどは流用可能です。レシーバーの上にピカティニーレール方式のスコープレールがあり、光学機器を追加することができます。ポリマー製のバットストック(銃床)には高さを調整できるチークパッド、機関銃では珍しい折畳み式が採用されています。
射撃とバレル
弾丸は7.62×51mmNATO弾を使用。左側からベルト給弾されます。発射速度は選択可能で、銃口近くのガスポートを調整するだけで毎分640・720・800発の3つに切り替えることができます。布製のドラムマガジンを取り付ける事ができ、装弾数は50発・120発の2つがあります。射程は約1000メートル前後です。
コールドハンマーで製造された空冷バレルは取り外し簡単な回転ロック式です。約300発を連射した場合、射手は高温のバレルを新しいバレルに交換しないとバレルは直ぐにダメになります。バレルには熱シールドとキャリングハンドルが付いており、高温のバレルでも素手で交換ができます。
3つのタイプ
MG5
基本のユニバーサルモデルです。
MG5 A1
戦車や装甲車両に取り付けることを目的としたバージョンでリモート発射装置を取り付けることができます。
MG5 A2
より短いバレルとバットストックを備えた歩兵携行用バージョンです。また、これ以外に特殊部隊用に全長が短いMG5 Sがあります。
口径 | 7.62㎜ |
重量 | 11.2㎏ |
全長 | 1160㎜ 960㎜(ストック折畳み時) |
銃身長(バレル) | 550㎜ |
弾丸 | 7.62×51㎜NATO弾 |
装弾数 | 50発/120発 |
射程距離 | 600〜1,000m(バイポッド) 1,200〜1,500 m(三脚マウント) |
発射速度 | 640/720/800発/分 |
初速 | 810 m/s |
https://www.heckler-koch.com/en/products/military/machine-guns/mg5/mg5/overview.html