肉を食べる金がないレバノン軍にカタールが6000万ドルを支援

肉を食べる金がないレバノン軍にカタールが6000万ドルを支援
Lebanese Army

石油産油国で世界一裕福な国とされるカタールはレバノン軍に対し、6000万ドルの資金援助を行いました。レバノンは現在、未曽有の経済危機にあり、国を守るレバノン軍も資金不足で肉も食べれないといった酷い惨状にあり、資金援助はそれを助けるためです。

sponser

経済危機のレバノン

カタール外務省は木曜日、シェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長の指示のもと、レバノン軍を支援するために6000万ドルの資金提供を行うことを発表しました。地中海に面する中東の小国レバノンは国家財政が破綻し、2020年3月に国の借金を返せないデフォルト(債務不履行)に陥り、建国以来最大の経済危機に見舞われています。更に2020年8月には首都ベイルートでの「ベイルート港爆発事故」が起き、30万人が家を失い、港や首都機能に甚大な被害を与え、ただでさえ苦しかった国内情勢に追い打ちを掛けます、現地通貨のレバノン・ポンドの実質価値は10分の1に低下、国連は現在、レバノン国民の5分の4が貧困化しているとみなしています。このような状況下で軍事予算も削減されており、レバノン軍は悲惨な状況に陥っています。

軍事予算が半分に

2019年のレバノンの軍事予算は25億ドルありました。しかし、デフォルトに陥った2020年の軍事予算は10億ドルと前年の半分以下にまで削減されます。半分以下に下がった予算で前年と同じ体制維持を継続するのは不可能です。もちろん、装備は削減、稼働率は下がります。更にそれは兵士の生活にも。月給は100ドル以下と平均給与以下に下がり、更に食料品の高騰も相まって兵士の食事からは肉が抜かれます。軍は少しでも小銭を稼ぐために軍のヘリコプターを使って観光ツアーを実施しました。

カタールからの支援はこれら兵士の待遇改善に充てられると見込まれています。カタールとレバノンは友好国であり、2021年7月にはレバノン軍に1年間に渡って月に70トンの食料を供給を約束しています。しかし、アメリカやイギリス、EU、サウジアラビアなどがテロリストと定める同国の政治武装政党ヒズボラにも支援を行っているとされ、批判を浴びています。実はアメリカもレバノン軍を支援しており、2021年に1億2000万ドルを支援するなど最大の支援国です。これは、レバノン軍が崩壊してしまうと、親イランのヒズボラを抑えるものがいなくなり、同組織の影響力が強まり、それが周辺地域を不安定化させかねないと懸念があるからです。

sponser

source

https://www.reuters.com/world/middle-east/qatar-supports-lebanons-army-with-60-million-state-news-agency-2022-06-30/

sponser
肉を食べる金がないレバノン軍にカタールが6000万ドルを支援
フォローして最新情報をチェックしよう!