破産したロシアで最も古い兵器メーカー「モトヴィリヒンスキー」が売却へ

BM-21 Grad、BM-30 Smerchといった自走多連装ロケットシステム、Msta-B 152mm榴弾砲、2S9ノーナ-S 120mm自走砲といった数々の兵器を開発製造してきたロシアの重火器メーカー「Motovilhinskiye Zavody」の資産の売却を始めたとロシアメディアが報じた。同社は2018年から破産状態にあった。

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ロシアの統一連邦破産情報登録局はMotovilhinskiye(モトヴィリヒンスキー)の持つ物件など資産売却に向けた競売の申請手続きを6月26日から開始した。申し込みの終了期日は7月28日の16時。土地と物件の開始価格は約94億8100万ルーブル、日本円で約154億円になる。同社は2018年に破産。債務は約176億ルーブルに達していた。

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Motovilhinskiye Zavodyとは

ML-20 152mm榴弾砲
ML-20 152mm榴弾砲

モトヴィリヒンスキーは1723年に創業したロシアで最も古い兵器メーカーだ。砲兵技師のヴァシリー・ニキティチ・タチシチェフによって銅精錬所として始まり、1860年代半ばには銅製錬所の隣に鋼鉄大砲と鉄大砲の工場が建設され、本格的な兵器製造を開始。1918年には国有化され、モトヴィリヒンスキー機械製造工場と呼ばれるようになる。第二次世界大戦ではML-20 152mm榴弾砲、A-19 122mmカノン砲を生産するなど、ソ連赤軍の全砲兵システムの4分の1を生産。それらの功績からレーニン勲章、労働赤旗勲章、愛国戦争勲章第 1号が授与された。

その後、ソ連が崩壊すると1992年にロシア政府の命令で公共株式会社Motovilhinskiye Zavody JSCに組織変更される。2002年から2003年にかけては金融機関の管理下に置かれ、2011年には国営軍需企業Rostecが株式の4割を取得し、傘下になるも、巨額の負債を抱え、2017年8月に破産に向けた手続きを開始、翌年2018年に破産した。

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兵器生産は継続

同社は破産したものの、ウクライナ侵攻を受けて、国家防衛命令の下、工場はロシア軍に接収され現在は三勤交代制のフル稼働で兵器生産を続けている。今年末には自走多連装砲ロケットシステムの「トルネード-G」および「トルネード-S」をロシア軍に納入している。しかし、生産現場は何年もの間、休止していたため、生産機器、熟練工が不足しているといわれている。

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Source

Начался прием заявок на новые торги по продаже имущества “Мотовилихинских заводов” : Новости Накануне.RU (nakanune.ru)

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ロシアで最も古い兵器メーカー「モトヴィリヒンスキー」が売却へ
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