イスラエルの軍事・防衛企業のラファエル社は人工知能 (AI))を利用して標的の自動捕捉・認識を行う第5世代兵器システム「Sea Breaker(シーブレイカー)」精密誘導ミサイルを発表しました。
概要
Rafael Advanced Defense Systems Ltd.は、6月30日、第5世代の長距離自動精密誘導ミサイルシステム「Sea Breaker (シーブレイカー) を発表。シーブレーカーは、海上および陸上の目標に対する攻撃性能を大幅に向上させた新しい兵器システムになります。シーブレーカは、ラファエルが受け継いできたハイエンドの精密誘導ソリューションを使用して、現代の戦闘分野の課題を克服するために設計された対艦、陸上攻撃、沿岸防衛、地対地巡航ミサイルとして優れた攻撃性能を発揮するマルチドメイン兵器です。
最大300kmのスタンドオフ範囲からピンポイントの精密ストライクを提供するシーブレイカーは高度なIIR(赤外線イメージング)シーカーを備えており、静止または移動中の海上および陸上のターゲット捕捉し、A2 / AD(Anti-Access/Area Denial)エリア、沿岸海域や内陸海域での戦闘や、前世代のRFシーカー(電波誘導)ベースのミサイルが有効でない戦闘に最適です。
シーブレーカは、高速ミサイル艇からコルベット、フリゲート艦まで、様々な大きさの海軍プラットフォームから発射することができます。陸上では、Rafael社のSPYDER 地対空ミサイルシステムをベースにした防空システムのランチャーから発射できます。
AIを使用したターゲット捕捉
シーブレーカーは人工知能(AI)を使用して、ディープラーニングとビッグデータベースのシーンマッチングを実行します。これは、戦闘で実証済みの独自のRafaelテクノロジーであり、自動目標認識(ATR)と自動目標捕捉(ATA)を可能にします。つまり、AIが戦闘における様々なシチュエーション、ミサイルの標的ケースを学習しており、それらの膨大なケースをもとに、AIが一瞬で標的を判断して、捕捉します。このシステムは、すべての気象条件、GNSS(全球測位衛星システム:GPS)が拒否された状況でも有効です。ミサイルにはECM(電子攻撃)、ジャム耐性があり、干渉されません。シーブレーカーのミッションプロファイルは、地上での超低空飛行(シースキミング)と地形追従低レベル飛行を可能にレーダーに探知されにくいコースを辿ります。AIを利用しますが、完全自律型ではなく、人を介在させるマンインザループを採用し、ミッション更新、および中止機能を有効にしています。これらのデータリンク通信はミサイルのダメージ評価を行う戦闘損耗評価(バトル・ダメージ・アセスメント:BDA)をサポートします。
シーブレーカは、高速亜音速で飛行しながら、ウェイポイント、方位角、衝突角度、照準ポイントの設定に応じた事前に定義された攻撃計画に基づいて、多方向に同期した全球攻撃能力を備えています。重量113kgの弾頭は1発でフリゲートサイズの船を無力化するのに十分な威力があります。
Source
https://www.rafael.co.il/press/rafael-unveils-sea-breaker/