F-15Jのアップグレード版「F-15スーパーインターセプター」の改修内容

F-15Jのアップグレード版「F-15スーパーインターセプター」の改修内容
出典 航空自衛隊

防衛省、航空自衛隊は保有するF-15J戦闘機の近代化改修アップグレードを行う総額3,970億円の「F-15スーパーインターセプタープログラム」の一環として2021年12月末にアメリカの航空宇宙大手ボーイング社と68機のF-15Jの改修を行う4億7000万ドルの契約を交わしました。

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改修される機体の内訳

F-15Jイーグルはマクダネル・ダグラス社(現ボーイング社)が開発したF-15C/Dを航空自衛隊向けに三菱重工業など国内企業がノックダウン生産した制空戦闘機です。1981年から運用が始まり、計213機が生産。内、14機がマクダネル・ダグラス社製で199機が三菱製になります。40年以上経つ現在(2021年3月時点)で単座のF-15Jと複座のF-15DJを合わせ201機が運用されています。これらの航空機のうち、中後期生産型にあたるJ-MSIP機の102機(68機のF-15Jと34機のF-15DJ)がアップグレードの対象となり、今回の契約は単座のF-15Jの68機になります。34機のF-15DJのアップグレードの予定はまだ不透明です。アップグレードの対象から外れた99機は改修するには不適合であり、計147機が配備予定の第5世代ステルス戦闘機F-35(F-35A 105機,F-35B 42機)と交換されます。

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アップグレード内容

image Boing

F-15スーパーインターセプターはレーダー、電子戦、兵器運搬能力、およびスタンドオフ兵器能力を向上させるアップグレード改修が施されます。射程800kmで敵基地攻撃能力も有する長距離対艦ミサイルLRASMの搭載を計画していましたが、予算の都合上、これは断念。もう一つ計画に上がっていた空対地ミサイル「JASSM-ER」は搭載されます。

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JASSM-ERとは

JASSM-ER(AGM-158)は最大射程900km以上を有するスタンドオフ攻撃が可能な精密誘導ミサイルです。地中貫通弾/爆風破砕弾頭を搭載した重量900kgのミサイルは昼夜を問わず悪天候時にも精密なルーティングと誘導飛行を行い、アンチジャムGPSに加えて最先端の赤外線シーカーを使用し、ターゲットを検知します。ステルスな胴体は、迎撃が難しいとされます。戦闘機ではF-16、F-15E、F/A-18では既に運用可能で、F-35での運用も予定されています。

その他のアップグレードとして、レイセオン社のAN / APG-82 V1 アクティブ電子スキャンアレイレーダー、BAE Systems社のALQ-239デジタル電子戦システム(DEWS)、新しいミッションコンピューターおよび無線が含まれます。

改修作業はミズーリ州セントルイスの工場、または国内という報道もありますが、完了予定は2028年になります。アップグレードされた機体は少なくとも2045年まで運用される予定でF-15Jのアップグレードと維持にかかる総費用は、56.2億ドル(6,465億円)と見積もられています。

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Source

https://www.stripes.com/theaters/asia_pacific/2022-01-07/japan-f-15j-eagle-fighter-jets-upgrade-contract-boeing-4209453.html
https://www.janes.com/defence-news/news-detail/japan-to-upgrade-68-f-15j-eagles-under-jsi-programme

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