ロシア軍は小型のクアッドロータードローンからRPG-26対戦車ロケット弾を発射する動画を公開した。この手の兵器の使用が確認されたのは初になる。
Russian FPV drone fires RPG-26.
— Clash Report (@clashreport) August 21, 2023
After the strike, the drone crashed. pic.twitter.com/V2PHz2kFen
ロシア軍はクアッドロータータイプのドローンが空中から対戦車ロケット弾を発射する一人称視点の動画を公開した。搭載されていたのはソ連時代の1980年代に開発された使い捨て携行式対戦車ロケットRPG-26だ。72.5mm口径、成形炸薬弾は440mmのRHAを貫通する威力を持ち、有効射程は250m。通常なら、敵装甲車の射程内、視界内に入り、歩兵が攻撃を行うが、ドローンに搭載して運用することで、人的被害を避けることができる。場所は不明だが、ロシア軍はこれをウクライナで使用した。ロケット弾や小型のミサイルを搭載した小型ドローンの開発は各国で開発が進んでいるが、実戦での使用の確認は初めてかもしれない。
しかし、実戦で使えるかという、そのハードルは高い。映像では標的は確認できなかったが、無誘導のロケット弾をドローンから水平発射して正確に狙えるのかは疑問だ。更にRPG-26を搭載したこのドローンはロケット弾を発射後に墜落している。おそらく、発射時の反動で制御不能になったと推測される。発射時の反動に耐え、飛行を制御するにはある程度、機体の大きさが必要であり、攻撃ドローンが大型機なのはその理由だ。結局、一発撃って、墜落するのであれば、自爆ドローンの方が攻撃の成功率は高いだろう。
Photo Nammoノルウェーの防衛企業Nammoは商用の小型飛行ドローンに携行式対戦車ロケット”M72 LAW”を搭載して発射テストを行いました。対戦車兵器として復活US MarineM72 LAWはN[…]
ノルウェーのNammo社が自社が開発製造する携行式対戦車ロケット”M72 LAW”をクアッドドローンに搭載した似たような攻撃ドローンを開発しているが、ロシアのとは違うのが搭載されたM72 LAWは水平射撃ではなく、真下に撃ち降ろすように搭載されている点だ。これにより、発射時の反動が上下になるので機体姿勢が崩れにくく、且つ装甲車の最も弱い上面を攻撃する「トップアタック」が可能になっている。