退役した旧式の兵器の導入、北朝鮮から弾薬購入の報道、動員兵に配られた錆びたAKライフルなど、ロシア軍が兵器不足に陥っていることは前々から言われていたが、クレムリンはようやく武器不足を公式に初めて認めた。
ロシアの大統領報道官であるドミトリー・ペスコフ氏は26日水曜、ロシア記者団に対し、武器の不足を正式に認めた。プーチン大統領が９月２１日に出した部分的動員令により、３０万人が新たに動員されたが、内数十万人の装備に問題があると語った。ロシアは３０万人の内、８万人を既に前線に送っていると発表しており、もしかすると、装備が整った部隊から送られており、２０万人強がまだ満足な装備を受け取っていない可能性がある。
ペスコフ氏はこの問題を解決すべく、プーチン大統領の命令の下、デニス・マントゥロフ副首相を長とする兵士への武器供給など兵站を監督する任務を負った評議会を新たに創設し、精力的な措置を取っていると述べた。
Dmitry Medvedev visited Uralvagonzavod today. The video shows T-72B3 and T-90M tanks. https://t.co/fsAnAtPwiq pic.twitter.com/nwQWsBpkSX
— Rob Lee (@RALee85) October 24, 2022
２４日にはメドベージェフ前大統領がテレグラムで工場を視察する動画を投稿。「敵側はロシア軍の兵器が底をつくと言っているが戦車から銃、高精度ミサイル、ドローンまで武器や装備の生産は増加している。」とロシアの兵器や装備品の生産は増加していると述べ、兵器不足の噂を打ち消す声明を発表していたばかりだったが、ペスコフ氏がそれを否定してしまった形だ。
ロシアの動員兵が渡されたAKライフル
— ミリレポ (@sabatech_pr) October 30, 2022
もう笑うしかないpic.twitter.com/YAsMUcSxSo
ウクライナ侵攻を受けて西側から課せられた経済制裁によって、ロシア軍の兵器製造は４月頃から滞っているという報道が度々出ていた。特に西側の半導体や高度な電子部品を必要とする高精度ミサイル、戦車、戦闘機などは新規の生産が止まっているとされている。しかし、兵器不足はそれだけではないようだ。一部の動員兵には錆びて壊れたAKライフルが渡されており、自国で完全国産可能と思われる銃についても不足している。北朝鮮から弾薬購入という報道もあったように大量に保管されていたとされる弾薬も不足。
これまでの海外サプライチェーンが絶たれた今、新しい部品調達を先を見つけ再構築するのは容易ではなく時間もかかる。むしろ、数か月前からの戦況を考えれば推測できたことで動き出すのが遅すぎるぐらいだ。中央の危機感の希薄さがうかがえ、前々から言われているが、現場と上の意思疎通、情報伝達ができていないのだろう。もちろん、それはウクライナにとっては好都合ではあるが。
Source
https://www.newsweek.com/russia-equipment-weapons-shortage-peskov-soldiers-ukraine-1755057
