ロシアの銃器メーカー”カラシニコフ”社はドラグノフ狙撃銃(SVD)の後継として開発した「Chukavin(チュウカビィナ)」こと”SVCh”が今年2月に始まった国家試験を肯定的に終えたと発表しました。これは、近い将来、 SVCh(Snayperskaya vintovka Chukavin )がロシア軍に配備されることを意味します。
ドラグノフ狙撃銃の後継
SVChはあのロシアの伝説的狙撃銃「ドラグノフ狙撃銃(SVD)」を置き換えるためにロシア国防省の指示に基づいて、 SVDを製造するカラシニコフ社によって開発されました。1960年代に開発されたSVDは名銃として、ロシア軍をはじめ、今なお多くの国で使用され続ける狙撃銃です。開発元のイズマッシュ社は2012年に破産していますが、その後、カラシニコフ社に統合され、同社にて開発製造が継続され、その後、SVDKやSVDMといった近代化モデルが開発されています。しかし、ベースが古いこともあり、新しい狙撃銃の開発を依頼されたカラシニコフ社はSVDとは異なる新しい銃の開発に取り組み、2017年に「Chukavin」を発表、以後、改良をテスト重ねてきました。
スペック
SVChはロシア基準の7.62x54mmR弾と、NATO基準の7.61x51mmNATO弾の2つの仕様で開発されます。この2つに互換性はありませんがボルトとバレルを変更することで口径を変換できます。SVD同様にセミオートになり、7.62x54mmR弾であればSVDのマガジンと互換性があります。2017年の発表時は.338ラプアマグナム弾のバージョンも発表されていましたが、これは無くなったようです。
SVDは600~800mのレンジで効力を発揮していきましたが、 SVChでは射程は若干伸び、1000mになります。冷間鍛造のバレルにより、精度は向上しています。ストックは伸縮、折り畳み式でストック展開時の最大全長は1150mm。これはSVDよりも120mm短くなっています。レシーバーは上部と下部の2つに分かれ、射撃の負荷は全て上部に行くように設計され、頑丈なスチールを使用、レシーバー一体型のピカティニーレールが搭載され、光学機器の装着が可能です。その分、下部はポリマー製パーツを使うなどして軽量化。重量はマガジン無しで4.6kgと狙撃銃としては軽量です。
マガジンは基本10発ですが、15、20発装填のものも用意されており、SVDと同様に狙撃銃以外にもマークスマンライフルとして利用もできます。
国の指示の元、SVDの後継として開発されたこともあり、機能的に問題なければSVChはロシア軍の正式狙撃銃として採用されることは間違いありません。
Source
https://ria.ru/20211005/vintovka-1753096023.html