自爆無人艇の飽和攻撃で撃沈されたロシア黒海艦隊ミサイル艇イワノヴェッツとはどんな船?

自爆無人艇の飽和攻撃で撃沈されたロシア黒海艦隊ミサイル艇イワノヴェッツとはどんな船?
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ウクライナ国防省は1日、自爆無人艇による攻撃で、ロシア黒海艦隊のミサイル艇Ivanovets(イワノヴェッツ)を撃沈した事を映像付きで発表しました。ロシア海軍にとっては2024年最初の損失になり、今年も黒海艦隊にとっては受難の年になりそうです。

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ウクライナ国防省は1日、公式Xに自爆無人艇がロシア黒海艦隊のミサイル艇イワノヴェッツを攻撃する映像を公開しました。映像は自爆無人艇に搭載された赤外線カメラによるもので、標的のイワノヴェッツを攻撃、沈没するまでを収めています。攻撃時、イワノヴェッツは航行中であり、海上に無人艇を迎撃しようとする機銃の水しぶきが確認できます。映像では様々な角度から船に突っ込む様子が確認でき、攻撃が1隻ではなく複数によるものだということが分かります。映像から判断するに1隻目は後部を攻撃、同じく2隻目も後部を攻撃。これで後部にあるスクリューが破壊され、イワノヴェッツは行動不能になったと思われます。既に停船したとと思われる映像では左舷が損傷している様子が見え、さらに同じ場所を攻撃したように見えます。映像から判断するに4隻以上の自爆無人艇がイワノヴェッツに攻撃を仕掛けたと推測しています。船は艦尾から垂直に沈没していったのが映像に納められているので、まだ、攻撃できる無人艇が残っていたのが確認できます。

空中ドローンでの飽和攻撃は聞いたことがありますが、自爆無人艇の飽和攻撃が確認されるのはこれが初ではないでしょうか?生存者の有無は不明ですが、船員は沈没前に避難したという情報も。しかし、ウクライナはロシア軍の救助活動は失敗したと述べています。ウクライナ国防省情報総局は、イワノヴェッツは海軍基地があるクリミア半島西側の塩水湾であるドヌズラフ湖で同国の特殊部隊「グループ13」の兵士らによって破壊されたと発表しています。攻撃は未明の3時45分に始まったとされ、4時ごろには既に船は航行不能状態にあったとされます。

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ミサイル艇イワノヴェッツ

イワノヴェッツは「タランタルIII級コルベット」または「プロジェクト 12411」と呼ばれるミサイル・コルベット艦です。同艦はソ連時代の1970年代に外洋で戦闘艦、水陸両用艦、その他の船舶と交戦することを目的として最初のプロジェクト1241.1が開発さます。その後、1980年代に搭載対艦ミサイルを3M80モスキートに置き換えたプロジェクト 12411が建造されます。また、輸出型として派生型の1241REも開発されており、10か国以上で採用されています。

プロジェクト 12411は地対地および地対空能力を備えたさまざまな兵器を備えています。最大の武器は4基のミサイル発射管に搭載された「3M80モスキート」、または「P270」と呼ばれる超音速対艦ミサイルです。最大射程は120km、飛行速度2800km/h(M2.5)という音速で低空を飛行します。対空ミサイル兵器と自動速射砲も搭載されており、有視界の条件下で空中目標を攻撃することを目的とした携帯型対空ミサイルIglaを12基搭載。76mm速射砲と30mm機関砲は、空、水上、沿岸の目標を破壊します。

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独自のレーダーシステムはミサイルの有効射程全体をカバーし、15の目標を同時に追跡、集中的な電子戦環境下で6つの指定目標を割り当てます。砲射撃管制システムは、空中および地表の目標を検出し、自動追跡を実行し、射撃データを計算。地表目標の探知に使用されるレーダーは、射撃管制システムに一度に5つの目標の指定データを提供します。電子線装備としてアクティブレーダージャマーとIFFレーダーも装備されています。 排水量は550トンと小型船に分類され、速度は最大40ノット(74km/h)、航続距離は最大1,600マイル、乗組員は40名です。価格は約6,000万~7,000万ドルとされています。

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