A-50早期警戒機のベースのロシアのIl-76大型輸送機が圧力試験中に爆発

A50早期警戒機のベースのロシアのIl76大型輸送機が圧力試験中に爆発
UAC

ロシアの航空機メーカーのユナイテッド・エアクラフト・コーポレーション(UAC)によると2日、ロシアの自社工場でIl-76(イリューシン-76 )大型輸送機のテスト中に爆発が起き、1 人が死亡し、数人が負傷しました。Il-76は先日、ベラルーシでパルチザンの攻撃によって損傷したA-50早期警戒機のベースにもなっている航空機です。

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ロシアのRIA通信社は、モスクワの東約700キロにあるウリヤノフスク地域の工場で発生し、胴体が爆発、破壊されたと報じました。組み立て段階の1つで、コンパートメントに過剰な圧縮空気をポンプで送り込むことによって、胴体のハーメチックシール(真空容器密閉容器など外部と遮断された構造体に電力供給や信号の入力を行うために)がチェックされますが、これらのテスト中に、悲劇的な事件が発生したとUACは述べています。

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Il-76大型輸送機

Il76大型輸送機
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Il-76はソビエト時代にイリューシン設計局が空挺任務、軍事装備、兵員、車両、および貨物を輸送するために開発した大型ジェット輸送機です。1967年に開発が始まり、1974年からソビエト軍で運用が始まります。その後、何度も改良を加えながら新しいモデルが生産され、同シリーズは50年に渡って運用され続けています。2019年に就役した最新のIl-76MD-90Aでは貨物の搭載能力が48tから60tに増加、燃費効率も向上、航続距離は18%延長。 126人の落下傘兵、145人の部隊を一甲板配置、機内を二階層にすることで最大225人の部隊、114人の負傷者を収容、運ぶことができ、最大5000kmを飛行します。ロシアの軍用機らしく、過酷な環境でも運用できるよう、短く整備されていない滑走路でも使用でき、シベリアといった北極地域でも運用できます。

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ウクライナの侵攻初期にキーウ近郊のホストーメリ空港に空挺部隊を降下させるために投入されるも、隊員を降下させる前にウクライナ軍によって2機が撃墜され、精鋭部隊であった空挺部隊員を200~400人失いました。2022年6月にはロシア西部のリャザン市で墜落、9名が死亡するなど、昨年だけで少なくとも3機を失っています。最新モデルのIl-76MD-90Aは1機あたり8600万ドルとロシア製の航空機としては非常に高価な機体です。また、先日、ベラルーシでパルチザンの攻撃によって破壊されたA-50早期警戒機はIl-76をベースに開発されています。

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Accident at Russian plane factory kills one, injures several

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