米議会、F-15E、F-22、F-16の退役に待った!A-10はいいよ!

米議会、F-15E、F-22、F-16の退役に待った!A-10はいいよ!
USAF

アメリカ空軍は数十機のF-15E、F-16、F-22戦闘機を退役させたいと考えていたが、米議会はそれにブレーキをかけた。

米国議会は12月7日、2024会計年度の国防権限法(National Defense Authorization Act)の最終版を発表した。米議会は空軍が求めるA-10、F-15の退役について、一部は認めたものの、空軍が求めた内容は全て受け入れず、計画に対し、大幅なブレーキをかけた。

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F-15Eの退役数は要求の半分に

F-15E
USAF

エアフォース・マガジンなどの報道によれば、米空軍は2029年度までに計119機のF-15Eの退役を求めていたが、議会はその約半数の68機に制限する予定だ。これがF-15の最新版であるF-15EXの調達遅れが要因なのかは明らかにされていない。米空軍は当初144機のF-15EXの調達を予定してたが、予算上の都合で80機に削減。その上、量産化が遅れており、2023年6月時点で米空軍に納入されたF-15EXは2021年春に納入された最初のバッチ2機のみだった。

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7,000以上の項目からなる会議報告書は、空軍が退役を計画している各F-15EとF-16 C/Dに投資されたすべての改造費の総額と、それぞれの推定残存耐用年数を報告することを求めている。「会議参加者は、F-15EXを現役部隊、予備部隊、空軍州兵部隊に公平に配備しようとする空軍の努力を称賛するが、戦術戦闘機の能力が戦闘指揮官の戦闘要件を許容できるレベルのリスクで満たすには十分ではないことを引き続き懸念している。」と述べている。

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F-22の退役要求を却下

F-22は2030年から退役?それとも延長?

議会は32機の旧型のF-22ラプター Block20を退役させる空軍の求めを2年続けて却下した。現在、実戦配備されているF-22はBlock30/35のモデルになり、Block20の機体はほとんど訓練機として利用されている。しかし、F-22は訓練機として使用するには維持費が非常に高額だ。また、これを戦闘仕様のBlock30/35にアップグレードさせようとすると8年間で18億ドルの費用がかかる。第5世代戦闘機の主力は現在、F-35ライトニングIIが勤め、また、2030年代に第6世代戦闘機NGADが配備される予定であり、2030年以降F-22は本格的な退役に入る計画で、現状、高額なアップグレードコストはかけられない。

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世界で需要が高まるF-16にも待った

次はF-16戦闘機!?ウクライナが期待する次の軍事支援
USAF

ウクライナへの提供が決まったことで世界で需要が高まっているF-16戦闘機についても議会は2025会計年度まで計画されているF-16の退役を禁止したい意向があるとされており、春に空軍が提出する回答が気に入らない場合、議会はそれを阻止するかもしれない。F-16は「ローコストファイター(LCF)」と呼ばれコストが安いながら、高性能。西側先進国ではF-35の配備ともに多数のF-16が退役しているが、中堅国では逆に採用が広がっている。早ければ年明けにもウクライナ軍に配備されるかもしれないF-16の戦果によってはさらに需要が増す可能性がある。

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USAFアメリカ空軍のトップは7日、2029年までにA-10サンダーボルトII攻撃機を全機退役させる計画であると述べました。長年、米空軍に従事してきたA-10は2020年代に終焉を迎えるかもしれません。[adcode][…]

米空軍は2029年までに全てのA-10サンダーボルトを退役させる計画を発表

F-15E、F-22、F-16の退役に関して難色を示している米議会だが、42機のA-10攻撃機と57機のF-15C/D戦闘機を退役させる提案については承認する見込みとされている。これにより、A-10の総数は218機に、F-15C/Dの総数は92機に減ることになる。退役するA-10については一部からはウクライナに供与すべきと声も上がっている。米空軍は少なくとも1,112機の戦闘機を保有することを義務付けられているが、空軍は現在、F-15、F-16、F-22、F-35合わせ約1,800機を保有している。

空軍の計画にブレーキがかかった国防権限法と関連法案は今後数週間以内に上下両院で可決され、バイデン米大統領の署名で成立する見通しだ。

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Source

Congress Poised to Pump Brakes on Fighter Retirements (airandspaceforces.com)

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