ロシア軍が北朝鮮製の73式軽機関銃の使用を開始した事が確認された。ミサイルや戦闘車といった北朝鮮製兵器の使用は確認されていたが、小火器の使用が確認されたのはこれが初めてだ。
ロシアのプロパガンダTelegramチャンネル「Voevoda Vesti」はロシア軍が北朝鮮製の73式軽機関銃を受け取ったことを写真付きで公開した。ロシアには現在、北朝鮮兵が派遣されており、彼らの武器とも考えられるが、ウクライナ情報総局の報告によれば、北朝鮮兵士はソ連製とロシア製のアサルトライフルと機関銃で武装しており、ロシア軍での使用も考えられる。73式機関銃は過去、中東に輸出されており、シリア紛争で反アサド武装組織が使用しているのが確認されている。イランにも輸出していたとされ、イランから供与された可能性もあるとされる。
73式軽機関銃
73式軽機関銃は文字通り、1970年代に北朝鮮で開発された軽機関銃。ソ連製のPK機関銃をベースに設計されたされるが、ベルト給弾の他に、チェコスロバキアのVz.52機関銃のように30発の箱型弾倉給弾にも対応している。口径は7.62mmで弾薬は7.62x54mmR弾を使用。1891年から使用されている弾薬だが、1000m以上の射程と高い精度、殺傷能力を誇り、旧共産圏では現在も使用されている。ロシア軍で使用されている銃器ではPK機関銃、PKP機関銃やドラグノフ狙撃銃が同じ口径になり、73式軽機関銃を取り入れてもロシア軍の兵站上の影響はほとんどない。また、PK機関銃をベースにしているのでロシア兵の扱いも問題ないと思われる。発射速度は毎分600~700発で、機関銃の重量は10.6kg、全長は1190mmでバレル長は608mmになる。
朝鮮人民軍では既に後継でPKM機関銃のコピーとされるベルト式の82式機関銃が配備されている。73式は朝鮮人民軍においても旧式の兵器になり、ロシア軍に供給してもさほど影響はないとされる。ただ、車両やミサイル、航空機と違い、精密部品や電子機器を必要としない銃器に関してはロシア国内の生産は間に合っていると言われていた。今回の北朝鮮製の73式の配備は小火器の在庫、生産にも問題を抱え始めていることを示唆しているされる。