ロシアの防衛企業のROSOBORONEXPORT(ロゾボロンエクスポルト)社は、ステルス機を探知できるモバイルレーダーシステムを中東やアフリカ、東南アジア諸国に供給し始めました。
米軍のF-22に日本も配備するF-35、そして、ロシア軍のSu-35、中国のJ-20。これらは第5世代戦闘機と呼ばれる最新鋭の戦闘機であり、全てステルス機です。レーダーに探知されにくく、敵に見つからずに接近、先制攻撃をしかける事が可能な機体です。米露中ではステルス爆撃機も開発しており、近い将来、空は見えないステルス機での戦闘がメインになります。各国ではステルス機も検知できるレーダー、通称「ステルスキラー」の開発に躍起です。
第5世代戦闘機は現在の世界の最先端の戦闘機になり、最も優れた航空機でもある。そんな第5世代戦闘機の特性はステルス技術になり、平らで突起物の無い滑らかなボディはレーダー反射を低減し、特殊な形状の排気ノズルは赤外放射を低減する。また、[…]
ロゾボロンエクスポルト社のレーダーシステム 「PRIMA P-18-2」はVHF帯を用いた低周波数レーダーでステルス航空機を含む、ドローンなど新たに出現する低視認性ターゲットを効果的に検出する独自の機能を有し、低 (ステルス) シグネチャで標的を識別できます。これまでロシア国内のみの配備でしたが、ロシア以外の市場にも供給し始めました。顧客は主にステルス機を擁していない中東、アフリカ、東南アジアにいます。
ロゾボロンエクスポルトのアレクサンダー・ミヒエフ局長はPRIMAレーダーは最新のハードウェア部品と信頼性の高いデジタル信号処理に基づいていると語っています。レーダーは、妨害や電波干渉がある環境でも敵味方を識別できるように設計されています。さまざまなクラスやタイプの空中ターゲットの敵味方の検出、追跡、特定、識別し、妨害機の方位を取得し、レーダーデータをユーザーの自動コマンド&コントロールシステムに供給するように設計されています。
この新しいレーダーシステムの重要な利点はその機動性です。レーダー及び発電機など関連機器はすべて一台の車両に搭載され、高度な自動化機能を備えており、約5分以内に展開および収納できます。乗員は二人のみで、レーダー320 km以上の範囲をカバーし、最小探知距離は500 mです。このレーダーは厳しい天候や地上の状況下でも作動することができ、衛星ナビゲーションシステムも装備しています。
実際の検知力は不明ですが、移動式の「PRIMA P-18-2」は地上レーダーの隙間を埋めることになります。