ロシア国防省、損害続きの黒海艦隊司令官ヴィクトル・ソコロフ提督を解任

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ロシア国防省はロシア海軍黒海艦隊の司令官であるヴィクトル・ソコロフ提督を解任したと複数のロシア人ブロガーが報じた。後任として副司令官参謀長のセルゲイ・ピンチュク中将が就任した。

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ウクライナ国防省が黒海艦隊のロプーチャ級大型揚陸艦シーザークニコフ(Caesar Kunikov)を撃沈したことを発表した翌日、ロシア海軍黒海艦隊の司令官が解任されたという情報が流れた。ロシア国防省に近いとされるZチャンネル軍事特派員のライバル氏とロマノフ・ライト氏は、ヴィクトル・ソコロフ提督が黒海艦隊司令官を解任され、代わって副司令官参謀長のセルゲイ・ピンチュク中将が就任したとテレグラムチャンネルに投稿した。これを引用する形で、キーウポストなどウクライナメディア、ロイター通信なども報じている。独立系ロシアメディアはこれを報じているものの、タス通信やスプートニクといった国営系メディアは報じていない。むろん、ロシア国防省からは何も発表はなく、ロイター通信が国防省に問い合わせたが返答はない。

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ヴィクトル・ソコロフ提督

1962年生まれのヴィクトル・ソコロフ提督は1985年に海軍士官学校を卒業するとソ連海軍に入隊。それ以来、ずっと海軍畑を歩んできた。2013年8月には北方艦隊副司令官に任命され、2016年に北方艦隊がシリアに派兵された際は空母アドミラル・クズネツォフ、巡洋戦艦ピョートル・ヴェリーキーから成る北方艦隊分遣隊を指揮していた。2020年1月にNGクズネツォフ海軍士官学校長に任命され、いったん現場を離れるも、2022年8月、イーゴリ・オシポフ前黒海艦隊司令官と代わる形で黒海艦隊司令官に就任する。イーゴリ・オシポフ提督は旗艦モスクワが沈没した責任を執らされ解任されたと言われている。

ソコロフ提督は、2023年9月22日にクリミア半島セヴァストポリの黒海艦隊司令部を爆撃したウクライナ軍の「クラブ・トラップ作戦」で巡航ミサイル「ストーム・シャドウ」の攻撃によって死亡したとされており、それ以来、姿を現していなかった。ロシア国防省は死亡説を払拭すべく、ソコロフ提督が生きているといる映像をその後、公開したが、それはビデオ会議に映るリンク映像の一つであり、生存を立証できるものではなかった。

黒海艦隊は2月だけで2隻の艦艇がウクライナ軍の攻撃によって沈没しているが、昨年下半期から毎月のように損害を出しており、戦力は3分の1に減っていた。仮にソコロフ提督が生きていたとしたら、その責任を執らされ、更迭された可能性は高い。新しい黒海艦隊司令官とされるセルゲイ・ピンチュク提督は1971年生まれの52歳、海軍と陸軍双方の士官学校を卒業している。2016年7月にカスピ海艦隊司令官代理に任命され、2021年2月に中将に昇進。 2021年5月に黒海艦隊の副司令官に任命されていた。

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