アメリカ陸軍は偵察攻撃ヘリ「AH-64アパッチ」および「OH-58Dカイオワウォリア」に代わる後継機として検討を進めていた将来型攻撃偵察ヘリFARA(Future Attack Reconnaissance Aircraft)計画について、Textron社傘下のBell(ベル)とLockheed Martin社傘下のSikorsky(シコルスキー)の2社に絞り込んだ。これにより両社はプロトタイプのヘリコプターを製造する資格を得た。
FARAとは
複雑化する現代の戦闘において、米陸軍はアビオニクス(電子機器)によるサイバー強化と広大な戦場を横断する作戦行動能力と 、敵の対空防御を突破するための速度を併せ持った攻撃偵察ヘリの望んでいた。FARAはその要求に見合う機体を開発するために2018年から検討が始まった計画になり、現在主力であるAH-64アパッチの後継機を決める計画。2023年には、プロトタイプのテスト飛行を行い。2028年に量産、配備することを予定している。
Bell 360 Invictus
360はまだ、設計・構想段階になる。機体はタンデム型の二人の乗りのコックピットに下には20㎜機関砲が備え付けられている。機体中央にある左右のスタブ翼は中速〜高速時に機体重量の約50%に相当する揚力を得ることできる想定されている。 四枚羽のローターブレードの直径は40フィート(12m)、これはローターの直径がFARAの要件によって定められており、基地の建物内に回転翼が収まるように最大直径が指定されている。 後部にはシュラウド付きの傾斜したテールロータがある。ミサイルはウェポンベイに格納され使用時に開く。 照準光学系および/またはレーザ指示器も備えている。
米陸軍は180ノット(330km/h)以上の巡航速度を要求しており、戦闘半径は250kmであり、かつ、少なくとも90分の飛行時間を有するものとする。360はこれを満たすことを予定している。
https://www.bellflight.com/products/bell-360
Sikorsky RAIDER X
Sikorsky社はBellと比べると有利な状況にある。なぜなら既に同型となるS-97の開発は済んでおり、360と比べて開発が半分で済むなど先を行っている。機体の特徴は二重反転式ローターの「アドヴァンスト・ブレード・コンセプト・ローター」にと推進式のテールローター「プッシャープロペラ」になる。この2つの転ローターが高速化を実現する。既にテスト飛行で時速180㎞/hを記録しており、最高速度250ノット(460㎞/h)まで上げる事を目標としている。乗員はパイロット2名。武装は機関砲にウェポンベイに格納されてるミサイルになる。同型で大型のSB-1 デファイアントはUH-60ブラックホークの後継機最有力候補でもある。
https://www.lockheedmartin.com/en-us/products/fara-raider-x.html