STK SSWはスウェーデン軍の次期、分隊支援火器として開発されたPDW(個人防衛火器)タイプのサブマシンガンとグレネードランチャーを併せ持ったマルチ火器になる。
開発経緯
スウェーデン軍は2003年「将来の軽火器装備(Future Light Support Weapon)計画」を進めていた。この計画にはフィンランド、デンマーク、ノルウェー、カナダ、イギリスといった国々が参加し、スウェーデンとフィンランドが主導していた。STK SSWはその計画の一部である分隊支援火器(Squad Support Weapon:SSW)プログラムになり、軍の主力小銃であるAK-5に付属するMk19およびM203グレネードランチャーに取って代わる武器として開発された。
スペック
開発を行ったのはシンガポールにあるSTK(Singapore Technologies Kinetics Ltd)社。小銃や榴弾砲、戦闘装甲車を開発製造する軍需企業だ。
STK SSWは独自の5.7 x 28mm弾を使用するPDW機能と半自動装填式40mmグレネードランチャーを併せ持った特集銃。通常、ライフルなどに付属するグレネードランチャーはM203のように追加アクセサリーとしてハンドガード下部に装着されるがSTK SSWは上部がグレネードランチャー、下部がPDWという設計になっており、グレネードランチャーがメインのPDWがおまけのような銃だ。
グレネードランチャーは数種類の擲弾を扱うことができ、400個のタングステンボールが弾丸の内部に配置され、ターゲットに衝突すると、ショットガンのように放射状にボールが放出される弾やプログラム可能な遅延爆発擲弾など任務や状況に応じた擲弾を発射できる。擲弾は最大4発装填可能だ。PDWの装弾数は20発になり、専用のマガジンは透明なポリマー製で残弾が確認可能だ。レールシステムは搭載されていないが光学機器やレーザー照準器が内蔵されている。全長70cm、重量は6.2㎏とPDWという観点では重い。
プロトタイプまで開発されたが、現在のところ実用化、生産されたという情報はない。
https://web.archive.org/web/20120914011007/http://www.dtic.mil/ndia/2004arms/session3/arvidsson.pdf