Mig-29にSu-25、EU各国はウクライナに70機の戦闘機を提供します

ヨーロッパ各国からウクライナに70機の戦闘機が送られる
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ヨーロッパ連合(EU)はウクライナの支援のために戦闘機を送ることを決定したが、ウクライナ政府の発表によると、その数はなんと70機にも及ぶようだ。

これまでNATOを始めとしたヨーロッパ諸国は多数の武器を支援してきたが、基本は弾薬や砲弾、歩兵が使用する銃や携行式兵器だったが、ここにきて初めて乗り物系の兵器を提供する。それも兵器の中でも高価な部類に入る戦闘機だ。

ウクライナ軍は制空権こそまだ完全に失っていないが、ロシアのミサイルによる先制攻撃で主要な空軍基地は大きな打撃を受け、駐機格納してあった戦闘機が多数破壊されている。ウクライナ空軍は約70機の戦闘機を保有していたが、この内何機残っているかは不明だが、今回の対応を見れば残っている機体は少ないようだ。ただ、幸いにも駐機中の機体であったこともあり、パイロットは生き残っているようで、さらに退役軍人の元パイロットも復帰して志願している。つい前まで、ウクライナ空軍はパイロット不足と言われていたが、今はパイロットの数に対して乗る機体がない。そこで今回の支援だ。しかし、航空機は渡されても、おいそれと乗れるものではなく、たとえ現役パイロットといえど、乗ったことのない機体を直ぐに自在に扱うことはできない兵器になり、それが気になるところ。

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ウクライナ空軍と同じ機体を運用する周辺国

ウクライナ空軍の主力戦闘機はソ連によって1970年代に開発、80年代に配備された第4世代戦闘機のMig-29、同じく同時期に開発配備されたSu-27、そして攻撃機のSu-25になる。これらの機体、実はウクライナ同様に旧共産圏だった国でもまだ多くが現役で稼働しており、提供されるのはこれらの機体だ。同じ機体であればパイロットは最低限の訓練で済み、早々に戦線に復帰できる。

Mig-29

この内Mig-29をポーランドが28機、スロバキアが12機、ブルガリアが16機の計56機をウクライナに提供する。Mig‐29は1983年に運用が始まったロシアの第4世代制空戦闘機。前線での制空権確保を目的に開発された機体でツインエンジンによる高い機動性を有している。この機体、ロシア空軍でも300機以上を保有する主力戦闘機で、ロシア空軍に対してスペック的には見劣りしない。ウクライナに展開するロシア空軍の戦闘機ではSu-34が目撃されているが、新しい機体はまだそれほど投入されていないようだ。ただ、劣勢になればSu-35やSu-57といった機体も導入されるかもしれない。

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Su-25

Su-25
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そして、ブルガリアからは更に14機のSu-25攻撃機を提供する。1981年から運用が始まった機体でアメリカのA-10攻撃機と双璧をなす地上攻撃機。安価で頑丈、整備効率もよく強固な装甲と最大4.4トンの爆弾やミサイル搭載できる攻撃力を持つ。これは主に地上攻撃に用いられ、ロシア空軍でも主力機であり、ウクライナにも多くの機体が投入されている。しかし、攻撃には低高度を飛行する必要があり、ロシア軍のSu-25はウクライナ軍の対空兵器によっていくつか撃墜されている。

これらの支援は複数のEUの資金提供によって実現される。

既にウクライナ空軍のパイロットは隣国ポーランドに渡って引き渡しに向けた準備を行っているようだ。ただ気になるのは滑走路だ。既に多くの空港の滑走路が破壊されており、仮設滑走路や一般道を滑走路代わりに使用している様子も見受けられる。隣国が国内の飛行場の利用を認めると攻撃される心配もないのだが。それは難しいだろうか。

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