アメリカからウクライナに軍事支援として提供されている自爆ドローン「Switchblade(スイッチブレード)」。ロシア軍相手に実戦で一定の成果を上げたこともあり、米陸軍から大口の追加注文を得るなど、売上を増やしています。
Switchbladeを製造するAeroVironmentは3月24日、戦術航空および地上軍需品プロジェクトオフィス (TAGM) から、スイッチブレード®300の調達のために、6450万ドルの追加資金提供を受けました。契約はアメリカ陸軍契約司令部レッドストーン兵器廠が管理し、2024年7月までに米陸軍に納入される予定です。
各国で採用が広がるSwitchblade
⚡🇺🇦🦾💥 A very large cut of shots of the use of the #American #Switchblade 300 by the MTR group, as well as the FGM-148 #Javelin#Ukraine #UkraineWar #UkraineWillWin #ukrainecounteroffensive #RussianUkrainianWar pic.twitter.com/TSoJxJwz4J
— 🇺🇦UkraineNewsLive🇺🇦 (@UkraineNewsLive) April 27, 2023
米陸軍は2011年にSwitchbladeを採用、翌年には米海兵隊も採用し、アフガニスタンで初の実戦を経験をします。しかし、当時はタリバンといった民兵相手だったこともあり、対外的に評価されることはなく米軍での使用に留まっていました。しかし、2022年にウクライナへの軍事支援として提供され、ロシア軍相手に戦果を上げたことで、正規軍相手にも有効ということで評価上げます。昨年にはイギリスとリトアニア、今年に入ってフランスがSwitchBladeの調達を決定、イギリス軍では既に運用が始まっています。更に台湾が特殊部隊用に100機の調達を計画しているという報道もあります。このようにSwitchBladeは世界各国で採用が広がっており、それを表すかのように製造元のAeroVironmentの第3四半期の売上は前年比で49%増の1億3,440万ドルと大幅に売り上げを上げています。
Switchbladeとは
Switchbladeは地上部隊が航空支援や砲撃支援を受けられない時や待ってる時間がない、局所的な攻撃が必要な時に迅速に空から精密攻撃できるよう空軍特殊作戦コマンド(AFSOC)の考案で開発された自爆ドローンです。機首に弾頭を搭載し、遠隔操作、または自律飛行で標的に突っ込み自爆します。カメラも搭載しており、偵察ドローンとしても機能します。Switchbladeには300と600の2つのモデルがあり、300は重量が2.5kgと軽量で歩兵が携行できる重さで、弾頭には40mmグレネード弾を搭載。主に軽装甲の標的を対象にしています。飛行範囲は10kmで最高速度は157km/h、飛行時間は最大15分。600は300の改良版で重量は54kgに増え、飛行範囲、威力など大幅に性能が向上しています。高解像度のEO / IRジンバルセンサーと高度な精密飛行制御を備え、飛行範囲は90kmに拡大、最高速度は185km/h、飛行時間は40分と大幅にアップ。弾頭には対戦車弾を搭載し、戦車や装甲車両にも有効です。
Photo by AeroVironment安価で製造が容易なことで軍事予算の少ない国や武装組織で配備が広がった自爆ドローン。現在の紛争のトレンドともなった自爆ドローンは世界最強の特殊部隊組織「米国特殊作戦軍(USSOCOM)」も[…]
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