イギリスの軍需企業BAEシステムズと同じくイギリスのドローンメーカーであるマロイ・エアロノーティクスは27日、ポルトガルで行われているNATOの演習においてT-600クアッドドローンにスティングレイ魚雷を搭載、海中に投下する一連のテストを成功させたとことを発表した。
You've seen drones before, but not like this.
— BAE Systems Air (@BAESystemsAir) September 27, 2023
In partnership with Malloy Aeronautics, we recently demonstrated the T-600 heavy lift, all-electric vertical take-off and landing (eVTOL) demonstrator aircraft, at a recent NATO event in Portugal. 👇https://t.co/f1gCRbbKwc pic.twitter.com/nXe6rwhkoa
BAEシステムズとマロイ・エアロノーティクスが共同開発製造するT-600は電動モーターを搭載したクアッドコプターの大型ドローンで小型自動車ほどの全長を擁する。軍事目的に設計されており、強力な電動モーターとバッテリーによって、最大200kgの荷物を運ぶことができ、最高速度は140km/h に達し、1 回の充電での航続距離は80kmになる。そのT-600にBAEシステムズが製造する音響ホーミングの軽量魚雷Sting Ray(スティングレイ)を搭載して、海上に投下するというテストをポルトガルで行われているNATOの演習にて行った。
スティングレイの発射重量は267kgになるので、T-600のペイロード能力を超えている。検証は不活性化された魚雷を使っているので46kgの弾頭は取り除かれているかもしれないが、それでも200kgを超える。ただ、このT-600は現在開発中のバージョンアップ版のT-650の要素も検証できるように特別に設計されたものらしく、T-650のペイロード能力は300kgになり、スティングレイが搭載できる。
テストではこの全長2.6m、直径330mmの魚雷を搭載したまま離陸、飛行しながら海上に投下することに成功した。スティングレイの最大射程は11kmになるが、ドローンに搭載できることでその射程は倍以上に伸ばすことができる。今後、対潜ヘリの任務もドローンが担うことになるかもしれない。
T-600/650は物資の輸送や死傷者の運搬といった任務も期待されている。
Source