最後のタイフーン級原子力潜水艦ドミトリー・ドンスコイが退役

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ロシア海軍のタイフーン級原子力潜水艦、最後の一隻が先日、退役しました。タイフーン級原子力潜水艦は世界最大の弾道ミサイル潜水艦で、冷戦時の米ソ間の緊張を描いた映画『レッドオクトーバーを終え!』に登場するなど、冷戦時のソビエト海軍の象徴でもあった潜水艦です。

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西側が恐れた原子力潜水艦

ロシア国営メディアの一つであるRIAノーボスチは水曜、ある防衛筋からの情報として北方艦隊に所属していたタイフーン級原子力潜水艦の最後の1隻となる”Dmitry Donskoy(ドミトリー・ドンスコイ)”がロシア海軍から退役し、解体に入ったと報道しました。

ドミトリー・ドンスコイはソ連時代の1970年代に建造が始まったタイフーン型原子力潜水艦(ソ連名:941 アクーラ設計戦略任務重ミサイル潜水巡洋艦)の一番艦で1982年に就役しました。その後。1980年代にかけて同型モデル6隻が建造されます。全長175m、満排水量48,000tは先日、北方艦隊に就役したばかりのベルゴロド原子力潜水艦が登場するまで長らく世界最大の原子力潜水艦として君臨していました。タイフーンにはSLBMから発射される大陸間弾道核ミサイル「R-39」を20基搭載。R-39には200ktの核弾頭10発が搭載、8,250kmの射程を有します。これを搭載し、海中に潜むタイフーン型原子力潜水艦は米国、日本といった西側にとっては最大の脅威でした。冷戦が終わり、ソ連が崩壊した翌年の1992年にドミトリー・ドンスコイは改装のためにドック入りします。しかし、ソ連が崩壊したことで、財政難に陥ったロシアはタイフーンの維持が困難として退役が始まっていき、1990年代に3隻が退役。ドミトリー・ドンスコイは2003年にようやく改装を終え、新しい大陸間弾道ミサイル(ICBM)Bulava3M14に対応して復帰します。その後、2013年前後に2隻が退役。1番艦ながら、改装されていたことでドミトリー・ドンスコイは最後の1隻と残っていました。

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ドミトリー・ドンスコイという名は2021年から建造が始まっているボレイ型原子力潜水艦(Project955A)に引き継がれます。同艦は2025年に完成予定です。

TASS通信は否定

しかし、この情報、同じ国営メディアであるTASS通信は否定しています。ドミトリー・ドンスコイは北方艦隊で戦闘訓練任務中だと述べています。同メディアは2021年1月に同艦が少なくとも5年間は運用されると報じていました。ドミトリー・ドンスコイの最終的な運命は2022年12月に決定すると述べています。

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Source

https://www.rainews.it/articoli/2022/07/sar-rottamato-il-pi-grande-sottomarino-nucleare-del-mondo–dmitry-donskoy-bb5dcaa0-a2f0-405b-be98-80763cacea24.html

https://tass.ru/armiya-i-opk/15262017

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