ベネズエラ国境付近エキセボ地域を飛行中のガイアナ国防軍のヘリが消息不明に

ベネズエラ国境付近エキセボ地域を飛行中のガイアナ国防軍のヘリが消息不明に
 行方不明となっているヘリ(News Room Guyana)

ガイアナ国防軍(GDF)は6日水曜日、ベネズエラの国境付近エキセボ地域を飛行中だった同軍のヘリが消息を絶ったと発表した。ヘリには乗組員3名と乗客4名が搭乗しており、安否は不明。同軍は捜索救助活動を開始した。ベネズエラはガイアナ領の7割を占めるエキセボ地域の領有権を主張し、3日に行われた国民投票で95%以上が賛成したと発表。5日に自国領と認める法案をまとめていた。

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同機は午前9時23分にベースキャンプがあるアヤンガンナを離陸。午前11時20分、ベネズエラと国境を接するエキセボ地域にあるアラウの東約50kmを飛行中に緊急信号を送信、その後、座標から姿を消した。現地メディアの報道によると同機は退役軍人のマイク・チャールズ操縦士が操縦、同氏は40年以上の経験があり、山や密林の上空を操縦していた。他の乗員は全員軍人とされ、機体は最近取得したばかりのアメリカ製の汎用ヘリコプター”Bell412”だった。現在、国防軍が民間の協力も得ながら捜索救助活動を行っているが悪天候のため難航している。現在のところ、「ベネズエラの関与を示す情報は無い」と国防軍は述べている。

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ベネズエラは隣国ガイアナの国土の約7割を占めるエキセボ地域を自国領と主張、奪還を試みようとしている。現在の国境線はガイアナが英国植民地だった時代の1899年に国際仲裁裁定で定められたが、ベネズエラは以前からそれを不服としていたが、その姿勢を最近になって強めている。独裁政権を敷くマドゥロ大統領は国民の是非を問うために12月3日に国民投票を実施。95%の賛成を受け、5日にはエキセボ地域をベネズエラ領と認める法案を可決した。しかし、マドゥロ独裁政権下で国民投票は形だけで、国民2069万人中、投票したのは211万864人とされ、89%以上が棄権。国民の9割は支持していないことになる。

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ガイアナでは2015年に油田が見つかり、2020年から石油生産が開始、今年の経済成長率は38%に達する。石油の埋蔵量は世界7位だったUAEを上回り、一人当たりの埋蔵量は世界最大。それもあり、近年、ベネズエラは関心を強めていた。ガイアナの油田は米国のエクソンモービルが主導しており、近年、米国との関係を強化している。マドゥロ大統領はエキセボ地域で活動する石油会社に対し、3カ月以内に事業を撤退するよう通告を出している。

米国は現在、イスラエル、ウクライナで手一杯であり、ベネズエラはそれをチャンスとみているのかもしれない。また、同国はロシアの友好国でもあり、ベネズエラの行動の影にはロシアがいると疑われている。もし、衝突が起きれば原油価格はさらに高騰することになるが、ベネズエラやロシアは原油産出国であり、影響は少ない。

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Source

Search still on for missing GDF helicopter; Army sees no Venezuelan involvement – News Room Guyana

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