イギリス空軍 (RAF) は、使用済み廃食用油を使用したバイオマス・再生可能エネルギーのみを燃料とした軍用輸送機・空中給油機の飛行試験を世界で初めて成功させました。
英国国防省は18日、エアバスA330の軍用機バージョン”MRTT”の空中給油機バージョンであるVOYAGER(ボイジャー)にて、100%持続可能な航空燃料 (SAF) のみを使用する形でオックスフォードシャー上空を飛行し、軍用および民間航空機の将来のさまざまな可能性への道を開いたことを発表しました。
16日に行われたこのフライトは、RAF、DE&S(防衛機器とサポート)、および業界パートナーのエアバス、AirTanker、ロールスロイスとの共同作業であり、燃料は航空燃料を扱うAir bpから供給されました。
使用済み食用油などの廃棄物ベースの原料から作られる持続可能な航空燃料は、従来のジェット燃料と比較して、炭素排出量を平均で最大80%削減し、RAFのグローバルサプライチェーンへの依存を軽減し、補給能力を向上させます。
ゴールディ英国防相は次のように述べています。「イギリス空軍は、100%持続可能な航空燃料を使用したイギリス初の軍用航空輸送飛行を運用中のボイジャー1機で行った。彼らはこの業績を正しく誇りに思うべきだ、RAFにとっては画期的な瞬間であり、MODにとっては刺激的な展開である。」
この成功は、昨年11月にイギリスで行われた化石燃料を使用しない15リットルの合成燃料を動力とする小型機による飛行に続くもので、これもRAFが主導した世界初の飛行です。合成燃料は水と二酸化炭素から作られています。
RAFは2040年までに世界初のネット・ゼロ空軍(温室効果ガスを差し引きゼロ)になるという野心的な挑戦を掲げています。米空軍もCO2からジェット燃料を生成する技術を開発しており、SDGsの対応は、相反するともとれる軍や兵器産業にも求められています。
Photo US Air forceアメリカ空軍は、炭素変換会社のTwelveと提携して、空気中の二酸化炭素(CO2)をジェット燃料に変換させることに成功しました。実用化できれば航空機はいつでもどこでも燃料を給油でき、燃料の心配を[…]
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