ウクライナ軍の新型ミサイルドローン「パリャニツァ」が初めて実戦導入された

ウクライナのゼレンスキー大統領は独立記念日の式典で新型ドローンミサイル「Palianytsia(パリャニツァ)」の開発を発表、SNSで初めて全容を公開した。

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ゼレンスキー大統領は8月24日の独立記念日の式典で「今日、私たちは、我々の新兵器であるドローンミサイル”パリャニツァ”の初めての実戦使用の成功を目撃しました。これは全く新しいクラスの兵器であり、ウクライナ独自のイノベーションです。これは侵略者に報復する新しい方法だ」と述べた。また、自身のSNSでは「本格的な戦争が始まってから2年半、ロシアはウクライナに向けて、さまざまなタイプのミサイル約1万発と滑空爆弾3万3000発以上を発射しました。我々の都市への攻撃を阻止するには、こうした兵器の運搬者、つまり軍用飛行場に駐留するロシアの航空機を標的にするのです。昨日、ウクライナの長距離ロケット無人機”パリャニツァ”という我が国の新兵器が初めて実戦で使用され、攻撃に成功しました。この兵器は、敵の攻撃力を壊滅させるために国内で設計されました。ドローンミサイルの生産数は、その効率性がほぼ毎日見られる長距離攻撃ドローンの生産数と同様に増加するでしょう。」と述べている。

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Palianytsia(パリャニツァ)

「パリャニツァ」が初めて使用され、ロシア軍への攻撃に成功したと述べているが、実際にどこをいつ攻撃したかといった詳細情報は明かされていない。そもそも、兵器スペックについてもほとんど公開されておらず、機密扱いだ。兵器についても無人機、ミサイル、ロケットと様々な単語で表現されており、定義もよくわからない。分かっているのは地上プラットフォームから発射され、ターボジェットエンジンを搭載しており、ウクライナ国内からロシア領内にある飛行場約24か所を射程に収めることができる飛距離を有している点だ。少なくとも500km以上の射程は有しており、亜音速で長距離を飛行する。無人機と言っているので、遠隔操作も可能なのかもしれいないが、数百キロ先の標的には慣性・GPS誘導が用いられていると思われ、形状からもドローンというより、巡航ミサイルに近い兵器と推測される。ミサイルのような高度な電子機器と誘導機能を搭載しておらず、コストを抑えているものと思われる。

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パリャニツァの最初の使用はロシア連邦のヴォロネジ地域の軍事倉庫と言われている。ただ、ここはウクライナ国境から150kmしか離れていない。

ちなみにウクライナ軍はパリャニツァが射程に納めているとされるニジニ・ノヴゴロド州にあるサヴァスレイカ空軍基地を8月13日と16日に無人機で攻撃している。ここはウクライナの前線から650km離れている。13日の攻撃では燃料貯蔵施設とMiG-31K/I戦闘機が被害を受けたと報じられている。16日の攻撃の被害は更に甚大で1機のMiG-31と2機のIl-76輸送機の計3機が破壊され、最大5機のMiG-31K/Iが損傷したと報じられている。サヴァスレイカは、モスクワの東約400kmにあり、この飛行場は、極超音速ミサイル「キンジャール」を搭載するMig-31K超音速迎撃機が駐機していることで知られている。キンジャールは空中発射極超音速ミサイルで、ウクライナへの空爆に何度か使用されている。

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ウクライナ軍の新型ミサイルドローン「パリャニツァ」が初めて実戦導入された
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