米空軍2025年に250機を退役させる計画を発表!三度、32機のF-22の退役要求

米空軍2025年に250機を退役させる計画を発表!三度、32機のF-22の退役要求
USAF

3月11日に発表された2025年度の軍の予算要求で、アメリカ空軍が同年に250機の航空機の退役を計画していることが分かった。その中には32機の第5世代ステルス戦闘機F-22ラプターも含まれている。

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3月11日に発表された予算要求によると米空軍は2025会計年度に250機を退役させる意向だ。 前年の2024年は310機の退役要求を出しており、予算が通過すれば、空軍の航空機の総在庫数は5,000機を下回り、近年では前例の無い少なさになり、総航空機在庫のサービス会計によると、2025年の予算では総航空機在庫が4,903 機になると予測されている。

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F-15

USAF

退役計画の250機の内、最も多いのがF-15シリーズで、初期モデルのF-15C/Dイーグル戦闘機は65機の退役を計画。同機は1979年から1985年の間に受領した機体で老朽化が進んでおり、2022年には沖縄に配備されていたF-15C/Dが退役のため、全機撤退するなど、近年退役が急速に進んでいる。1988年から運用が始まった同シリーズのF-15Eストライクイーグルも26機の退役を計画している。対象になるのがプラット・アンド・ホイットニー F110-PW-220 エンジンを搭載する機体で、このモデルはF-15C/Dの後期生産型と同じ物で、古く、信頼性が低いためだ。

計91機のF-15が退役するが、これらはF-15シリーズの最新モデルであるF-15EXストライクイーグルIIに置き換えられ、防空能力は向上する。F-15EXは2025年度に18機の調達を予定している。

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A-10C

米空軍は2029年までに全てのA-10サンダーボルトを退役させる計画を発表
USAF

次に退役数が多いのがA-10C攻撃機だ。長年、議会によって退役を断られてきたA-10も2022年度にようやく退役承認を得て、2023年度に21機が退役。2024年は42機の退役を計画。そして、2025年は56機の退役を計画している。そうなれば、A-10の在庫は200機を割ることなる。米空軍は2029年までにA-10を全機退役させたいと考えており、今後、退役は更に加速することになるかもしれない。

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F-22

米空軍は2023年度に33機のF-22を退役させることを計画しています
USAF

F-15、A-10に次いで多いのが以外にもF-22ステルス戦闘機になり、米空軍は32機を退役させたいと考えている。米空軍はここ数年186機あるF-22の内、もっとも古いモデルのF-22 Block20を引退させ、これによって節約できる維持費用を「NGAD(次世代制空戦闘機)」や無人機の開発に使用したいと考えている。そもそも、この古いモデルはもはや戦闘には耐えられないと空軍は主張している。実戦配備されているBlock30/35にバージョンアップするにしても8年間で18億ドルもの大金がかかる上に維持コストも高い上にF-22自体の稼働率が過半数を割っている。完成度が高く、F-22よりもコストが大分安い同じ第5世代ステルス機のF-35の配備が着々と進む中、F-22の必要性は薄れている。空軍は2025年だけでも42機のF-35Aを調達予定だ。ただ、F-22は2022年度の予算請求から同様の理由で退役計画を出しているが、2年続けて、議会で棄却されており、今の世界情勢を考えると通過する見通しは低い。

F-16C/D

オランダ、ウクライナに18機のF-16戦闘機の提供を発表
USAF

841機が運用中と米空軍が保有する戦闘機としては最も数を占めるF-16ファルコンについては、初期モデルの11機のF-16C/Dに留まった。F-16はウクライナに供与されることが決まり、更にトルコが最新のBlock70モデル40機を購入するなど、コストが安く、信頼性が高いF-16はまだ需要が高いのが背景にあるかもしれない。

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KC-135

米空軍、KC-135空中給油機を自律飛行させ、最終的にドローン母船にする
USAF

16機の空中給油機KC‐135ストラトタンカーの退役も求めているが、これは議会に棄却される可能性が高い。空軍は1957年に就役したKC-135を2030年まで全機退役させる計画だが、2024年の国防費法案に盛り込まれた要件により、 現在、KC-135の退役は禁止されている。2023年1月に始まったステルスタンカープロジェクトである次世代空中給油システム(NGAS)の調達計画が策定されるまで、米空軍は老朽化したKC-135を退役させることができない状況だ。KC-135の後継機となるKC-46ペガサスは2025年に15機の調達を予定している。

その他、救難ヘリコプターのHH-60 ペイブ・ホークは12機の退役を予定。同機は後継機のHH-60W ジョリーグリーンIIの配備が進んでいる。C-130H輸送機が6機、EC-130H電子戦機が1機、CV-22オスプレイが2機、E-11空中中継機が1機、T-1練習機が22機の退役計画を発表している。ただ、これらの退役計画は最終的に米議会の承認が必要であり、要求通りに退役が進むことはほぼ無い。

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