ロシアがウクライナで失った最も高価な兵器Top5

ロシアがウクライナで失った最も高価な兵器Top5
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フォーブスの報道によれば、ロシア軍はウクライナに侵攻してから6カ月で234機の航空機、199機のヘリコプター、15隻の船、12,142 台の車両など、計165億6000万ドル相当の装備を失いました。その中で、最も高価な兵器Top5を紹介します。

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Su-34M 5000万ドル

ロシアはアップグレードされたSu-34M戦闘爆撃機の最初のバッヂをうけとりました
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Su-34は1990年代に開発が始まり、2007年から本格運用が始まった機体で、ロシア空軍が採用する攻撃・爆撃用途としては最も新しい機体です。そして、Su-34Mはそれを近代化して、2022年7月に就役したばかりの最新鋭機。価格は1機あたり5000万ドルとされています。Su-27戦闘機をベースにしていますが、空中戦と爆撃の双方を行えるマルチロールの戦闘爆撃機になり、Su-27よりも機体を大型化。2人乗りですが縦に並ぶタンデムではなく、この手の形状の航空機では珍しい操縦士と副操縦士の2人が横並びに座るツインシートを採用。燃料満載で最大10時間の連続飛行が可能です。標準の約12トンの兵装で戦闘半径は1100km。対空、対地、対艦といった様々な兵装が搭載可能です。Su-34Mはそれに最新のアビオニクス、センサー、光学機器を搭載。戦闘能力は2倍になっています。ロシア軍は就役早々の7月、ウクライナの戦線に投入しますがウクライナ軍のHIMARSのロケット弾と見間違われ、味方の防空ミサイルによって撃墜されます。ちなみに基本形のSu-34の価格は4000万ドルとされ、これは少なくとも10機を失っています。

Su-30SM 5000万ドル

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Su-30はSu-27フランカー戦闘機を発展させて開発された第4世代の多用途戦闘機で1980年代に開発、1997年にロシア空軍で運用が始まります。そして、それを更に発展させた改良型として2012年から生産が始まったのがSu‐30SMになり、価格は5000万ドルとされています。Su-34と並んで、ロシア空軍の主力戦闘爆撃機です。Su-30はSu-27と比較し、カナードの追加、装備のアップグレード、空中給油システム、兵器スイートは大型化され、計12発の空対空および空対地ミサイル、爆弾を搭載可能なハードポイント、30mm機関砲を装備。Su-30SMでは拡張性のあるオープンアーキテクチャを取り入れた最新のアビオニクスを採用、2014年のクリミア併合に伴う西側の制裁前に開発されたこともあり、HUDにはフランスのタレス社製が採用されます。この1機5000万ドルの機体をロシア軍はこれまで、少なくとも10機を失っているとされ、損失は5億ドルを越えます。その中には8月のクリミア半島にあるサキ飛行場の爆発に巻き込まれた駐機中の機体もあります。

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サラトフ揚陸艦 7500万ドル

ウクライナ海軍がロシア海軍の大型戦車揚陸艦オルスクを破壊

サラトフは1960年代にソ連海軍に配備が始まった「プロジェクト1171大型揚陸艦」または「タピール級揚陸艦」と呼ばれる満排水量4,700tの大型揚陸艦です。最大1000トンの貨物を運ぶことができ、最大20両の主力戦車、または45両の装甲兵員輸送車、50台のトラック、および300〜400人の上陸要員を収容できます。その価格は7500万ドルとされます。1960~1970年代にかけて計14隻が建造されましたが、艦齢が高いこともあり、ウクライナ侵攻前に現役だったのは4隻でした。その内の1隻サラトフはソ連崩壊後、黒海艦隊の予備役として保管されていましたが、2000年代に復帰。南オセチア紛争やシリア内戦に参戦します。そして、ウクライナ侵攻においても揚陸艦として兵器をウクライナ戦線に輸送します。2022年3月24日、ウクライナ南部のベルジャーンシク港に停泊中、ウクライナ軍の弾道ミサイルの攻撃を受け、沈没します。

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Su-35 8500万ドル

二度目!ウクライナのMig-29がロシアのSu-35を撃墜!Su-35はオワコンか?
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Su-35はロシア空軍が実戦配備する中では最も先進的な戦闘機で、ロシアのスホーイ社によって開発、2014年に就役した第4世代戦闘機になります。その価格は推定8500万ドルとされます。これまでの機体と同じくSu-27を改良したモデルで航続距離が長く、最新のアビオニクスを搭載。迎撃、偵察、爆撃など複数の任務をこなせるマルチロール機で第4世代戦闘機としてはロシアの最新鋭機ですが、ロシアはSu-35を「第4世代++」または「4.5世代」と記載、機体性能はアメリカの第4世代戦闘機よりも優れていると主張しています。2つのAL-117Sターボファンエンジンと推力偏向ノズル、レーダー吸収塗料、Irbis-Eパッシブ電子スキャンアレイレーダー、IRST (赤外線サーチ&トラック) 、キビニーレーダー妨害システムを搭載。レーダーは400km先のターゲットを検出し、最大30個のターゲットを同時に追跡。給油なしで3,500kmを飛行できます。AWACSや空中給油機などのHVAA (高価値航空資産) を標的にできる超長距離空対空ミサイルR-37 Mを搭載しています。Su-35はこれまで少なくとも2機が撃墜されており、内1機はドッグファイトで撃墜されたとウクライナ側は発表しています。

Il-76輸送機 8600万ドル

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ソビエト時代にイリューシン設計局が開発した大型ジェット輸送機。最新モデルのIl-76MD-90Aは1機あたり8600万ドルとされています。Il-76は1967年に開発が始まり、1974年からソビエト軍で運用が始まります。その後、何度も改良を加えながら新しいモデルが生産され、同シリーズは50年に渡って運用され続けています。40tの貨物を搭載して、最大5000kmの距離を飛行。ロシアの軍用機らしく、過酷な環境でも運用できるよう、短く整備されていない滑走路でも使用でき、シベリアといった北極地域でも運用できます。2019年に就役した最新のIl-76MD-90Aでは、貨物の搭載能力が48tから60tに増加、燃費効率も向上、航続距離は18%延長されています。ウクライナの侵攻初期にキーウ近郊のホストーメリ空港に空挺部隊を降下させるために投入されるも、隊員を降下させる前にウクライナ軍によって2機が撃墜され、精鋭部隊であった空挺部隊員を200~400人失いました。この時、空挺部隊が降下していれば、戦況は変わっていた可能性があります。

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ミサイル巡洋艦モスクワ 7億5000万ドル

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今回のウクライナ侵攻においてはもっとも大きな損失で、もっとも衝撃的な戦果になります。スラヴァ級ミサイル巡洋艦モスクワ(Moskva)は文字通り、ロシアの首都モスクワ市にちなんで名付けられたロシア海軍の誘導ミサイル巡洋艦で黒海艦隊の旗艦・シンボルです。最大16発の対艦・巡航ミサイルを搭載、500人の乗員を載せる艦の全長は186.4m、排水量は12,490tと大型艦のモスクワの価格はこれまでのロシアが失った兵器としては断トツの7億5000万ドル。モスクワはもともと1983年にスラヴァ級のネームシップ艦として「スラヴァ」という名で黒海艦隊に就役。ソ連崩壊時はオーバーホール中で経済混乱で一時中断、1996年にようやく兵器システムと電子機器の改修を終え、今の”モスクワ”に名を変え1999年に再就役しています。ウクライナ侵攻では初日にスネーク島に進軍し、同島を攻略。その後、黒海から巡航ミサイル攻撃と防空を担います。しかし、4月14日のウクライナ軍の対艦・巡航ミサイル「Neptune(ネプチューン)」の攻撃によって撃沈されます。ロシア国防省は沈没をウクライナ軍の攻撃と認めておらず、火災による弾薬の誘爆と言っています。

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Source

https://forbes.ua/inside/skilki-koshtuvala-rosii-znishchena-v-ukraini-tekhnika-za-pivroku-viyni-otsinka-forbes-24082022-7884?utm_source=Telegram&utm_medium=post+

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