ロシアの兵器輸出入を担うRosoboronexportは2021年に展示会などを通して世界の武器市場に登場したロシアの最新兵器の中で世界から最も関心が示された兵器Top5を発表しました。
LTSチェックメイト・Su-75
2021年7月にロシアのモスクワで開催されたMAKS2021航空ショーで登場したシングルエンジンの第5世代ステルス戦闘機。ロシア軍内ではSu-75、海外輸出版がチェックメイトという名前になり、LTSは軽量戦術航空機を意味しています。スホイ設計局によって設計されており、オープンアーキテクチャを採用、顧客の希望に応じて機能構成を変更でき、共同開発、海外への技術移転も可能だと表明しており、元より海外輸出を狙った戦闘機になり、ロシアの戦闘機としては初めて機関砲を搭載していません。価格は2500万ドルから3000万ドルを予定。2023年の初飛行を予定しています。
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Orion-E攻撃および偵察ドローン
2016年に初飛行し、2018年には実戦参加しているとされる無人航空機(UAV)ですが、輸出市場に登場したのは2021年7月のMAKS2021航空ショーになります。攻撃および偵察を目的にしたUAVになり、24時間連続飛行が可能。250Km離れた場所から遠隔操作でき、今後は衛星通信にも対応予定で、今後、その操作範囲は拡大します。光学電子・赤外線カメラを搭載し、9M113 Kornet対戦車誘導ミサイル、KAB‐20/50レーザー誘導爆弾、UPAB-50滑空誘導爆弾、およびX-50誘導ミサイルなど搭載でき、ペイロードは200kgになります。また2021年に12月にはKornet対戦車誘導ミサイルで他のUAVの撃墜に成功しており、ドローン同士であれば空対空の戦闘能力も有しています。 Orion-Eは2022年から海外に輸出される予定です。
TOS-2「Tosochka」自走多連装ロケットランチャー
TOS-2「Tosochka」は世界で最も売れている自走式の多連装ロケットランチャーのTOS‐1の後継となる兵器です。TOS-1ではT-72戦車のシャーシを使った履帯式でしたが、TOS-2ではウラル・トラックをベースにした6輪装輪式となり、防御力を落ちましたが、その分、安価になり、軽量、機動力が向上しています。ロケット砲自体の性能はTOS-1の改良版であるTOS‐1Aと同じで衛星ナビゲーションとデジタルコンピューターに基づく最新の射撃統制システムを備え、照準から一連の作業は全て自動化、配置後90秒で攻撃が可能。砲身数はTOS-1の24個から18発に減っていますが、砲弾の出力と射程の向上、独自のリフト装置に装填時間が短縮され、火力の減少は相殺させると開発元は述べています。
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AK-19ライフル
AK-19はAK-47の系譜を継ぐ、カラシニコフ・アサルトライフルの最新版AK-12をNATO仕様の5.56x45mm口径に開発したモデルです。人間工学を向上させた軽量の伸縮・折りたたみ式ストック、新しいリアサイト、サイレンサーを素早く装着できるスロット式フラッシュサプレッサーが装備できます。AK-19のバレルの長さは415ミリメートル、重さは3.350グラムはAK-12とほぼ一緒ですが、AK-12にはある2ショットのバーストモードはありません。2021年12月に初の国外輸出契約を獲得しています。
S-350E Vityaz 防空システム
ロシアの防衛会社Almaz-Anteyによって開発製造されている移動式防空ミサイルシステム。ロシアのS-300/400ファミリーを補完し、1970年代に開発された初期モデルのS-300PSに代わる防空ミサイルシステムになり、ロシア軍では2016年から運用されています。S-300のミサイルランチャー4基に対し、4倍の16基を搭載、120kmの範囲にいる対象を最大16個まで補足し、同時攻撃することができます。
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