アメリカ空軍州兵空軍予備役試験センター (AATC)は7日、海軍、海兵隊と行われた合同演習「ヴァリアント シールド2022」において、新バージョンの空対地ミサイル「AGM-114R ヘルファイア4」のテストを行い、成功したことを発表した。新しいヘルファイアはこれまでより射程が3倍に伸びている。
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AATCは演習において第174攻撃航空団に所属する無人攻撃機MQ-9 Block5に新しく開発されたヘルファイアミサイル「AGM-114R-4」を搭載。MQ-9は演習中に試射を行い、距離は不明だがヘルファイアミサイルの最長となるショットに成功、新しいミサイルに対応したソフトウェアを含め射撃テストは成功した。
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ヘルファイアでスタンドオフ攻撃が可能に
AGM-114R-4はこれまでのAGM-114Rと比べ、射程が3倍に伸びているのが特徴だ。これまでのヘルファイアの最大射程は8kmだったので、つまり最大射程が24kmに延伸された計算になる。
ヘルファイアミサイルはA-10サンダーボルト攻撃機やアパッチといった攻撃ヘリ、そしてMQ-9無人攻撃機といった空対地攻撃兵器に搭載される短距離地対空ミサイル。戦車や建物といった地上標的の破壊に用いられているが、最大射程8kmで、確実に仕留めるには標的の数Km先まで近づく必要があった。そうなると、敵の短距離防空ミサイルシステムや携行式防空ミサイル(MANPADS)の射程内に入ってしまうため、撃墜されるリスクがあった。防空ミサイルの発展により、最大射程でも安全ではなくなっていた。射程が3倍に延伸されれば、短距離防空ミサイルの射程外である10km以上先の比較的安全な空域からスタンドオフ攻撃が可能になり、生存率は大幅に向上する。
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