韓国メディアの報道によると、在韓米空軍のF-16戦闘機が黄海上で墜落した。米空軍は昨年12月にも同じく黄海でF-16が墜落しており、二か月連続で事故が続いたことになる。
聯合ニュースの報道によると31日午前8時40分ごろ、韓国西部の稷島(全北特別自治道群山市)付近で、在韓米空軍のF-16戦闘機が墜落した。機体は黄海上に墜落。パイロットは墜落前に脱出しており、救助された。怪我の程度は不明だ。深刻なのは、F-16戦闘機の墜落が二か月続いたことだ。在韓米軍のF-16は昨年12月にも墜落事故を起こしている。12月11日午前、群山空軍基地から離陸したF-16が今回の事故と同じ、朝鮮半島西側の群山沖の黄海上を通常訓練の一環で飛行中に海上に墜落した。パイロットは無事脱出し、救助されている。
6日に在韓米空軍のF-16戦闘機が烏山空軍基地近くに墜落した瞬間。パイロットは脱出して無事だったpic.twitter.com/jyFVFUYVAm
— ミリレポ (@sabatech_pr) May 8, 2023
在韓米軍のF-16戦闘機の直近の墜落は実はこれだけではない。昨年5月にはソウル南方にある烏山空軍基地近くに空対空ミサイルを装備したF-16が墜落している。この時、墜落の瞬間が現場の監視カメラに収められており、パイロットが墜落前に射出座席で脱出したのが確認された。しかし、機首から地上に突っ込む形で墜落したため、機体は完全に破壊された。
F-16の直近の墜落事故は在韓米軍だけではない。昨年9月には韓国空軍のKF-16が墜落している。9月21日、同機は任務のため忠清南道の瑞山基地から離陸中に墜落した。パイロットは無事脱出している。KF-16のエンジンのエアシールの内側に装着されていたゴムパッキンが外れ、それがエンジン内部に入ってしまったことが事故の原因となったことを韓国軍の事故調査委員会は明らかにしている。
さらに遡ると2022年11月にもKF-16は墜落している。11月20日、訓練飛行中にエンジン故障が起き、韓国中央部にある原州空軍基地の西20キロの山岳地帯に墜落した。パイロットは無事脱出している。エンジン部品のナットが欠けていたことがエンジン故障、墜落につながったことが、その後の調査で明らかになった。
戦闘機の事故は稀にあるものだが、同じエリア、同機種でこれだけ頻発するのは現代ではあまり聞いたことがない。韓国軍の事故はどれも、部品の脱落からのエンジン故障が原因だ。ダブルエンジンのF-15などと違い、F-16はシングルエンジンのため、エンジン・トラブルが発生した場合はパイロットは飛ぶのを諦め、脱出するしかない。在韓米軍の事故もエンジントラブルが原因だろうか。これだけ、F-16の墜落事故が続いているが、F-16の飛行停止という話は上がっていない。