新型コロナのせいで軒並み新作映画の公開が延期になっているが、自宅で見れるネット配信のNetflixには関係なしとのことで、4月24日(金)にオリジナルの新作映画『タイラー・レイク 命の奪還』が公開された。クリス・ヘムズワースが主演を務めるこの映画はバングラディッシュのダッカを舞台に最強の傭兵が誘拐された子供を救うために麻薬王と戦うアクション映画になる。コロナで自粛する生活にストレス抱えた人には打ってつけのストレス発散映画になる。
ストーリー : 2.5
戦闘・アクション: 4
あらすじ
収監中のインドの麻薬王オヴィ・マハジャンの14歳の息子(オヴィ)が、敵対するバングラデシュの麻薬王アミール・アシフの一味によって誘拐される。アミールは身代金を要求するがマハジャンは払う気はなく、息子の奪還を手下のサヴィに命じる。
裏社会の傭兵タイク・タイラーはPMCのニック・カーンからバングラディッシュの首都ダッカからオヴィを救出する任務に誘われる。タイラーはスナイパーのGと協力して交渉相手のアジトに潜入し難なくオヴィを救出。脱出地点の川に停泊する船を目指すことになる。ニックは無事救出したことをサヴィに伝えるも報酬が支払われない。船では不穏な動き。すると、先に近くに着いたGが殺されてしまう。そこにいたのは仕事を依頼したはずのサヴィだった。サヴィは金を払わずにオヴィを奪還しようしていた。タイラーはオヴィを連れて、もと来た道を戻る。しかし、そこには今度、アミールの息の掛かった警察と軍が襲いかかってくる。チームからは金が支払われないのだからオヴィを捨てて脱出しろとの命令が出るが、子供を亡くした苦い過去を持つタイラーにはそれが出来なかった。サヴィとアミール派の双方に追われるタイラーだったが、元同僚で既に引退してダッカに住むギャスパーの助けを借りて何とか危機を乗り越える。彼はかつて命を救った友でもあった。しかし、そのギャスパーも金に目がくらみアミールと通じていた。八方塞がりになったタイラーはオヴィを無事に連れ戻す点では共通するサヴィに協力を申し出る。そして、タイラーとオヴィとサヴィの3人はニックが待つ川の向こう側へ行くためにアミールが封鎖する橋へと向かうのであった。
作品名 | タイラー・レイク 命の奪還 |
原題 | Extraction |
公開日 | 2020年4月 |
監督 | サム・ハーグレイブ |
ストーリー レビュー
この映画はアクションを楽しむエンターテインメントだ。なので、ストーリーは正直薄い。何度もタイラーの頭をよぎる幼い子供のフラッシュバックだが、子供の死から逃げたという負い目から来るもので、それでオヴィを助けるのだが、ちょっと歳が離れすぎている感がある。オヴィは麻薬王の息子という葛藤があるというのが分かるだけでそれ以上はない。サヴィの妻子やオヴィ、組織の関係も不明。そもそもインドとバングラの麻薬王の対立の理由は?国力からいったインドの麻薬王の方が圧倒的に強そうだが。また、子供たちのストリートギャングがアミール派として出てくるのだが、一見、重要な役割をしてそうに見えて、見終わる限りは特に要らなかったじゃないかと思ってしまう。そのギャングのリーダーがタイラーの抹殺に執念を燃やす意味も分からなかった。最後のエンディングは続編を思わされる感じだったが、流石にあれでタイラーが生きていたら拍子抜けだ。当初の脚本では死ぬ設定だったが、敢えてぼやかしたらしい。人物の描写は薄いのだがアクションエンターテインメントは十分楽しめる映画だ。
戦闘・アクション レビュー
主演は『マイティ・ソー 』のクリス・ヘムズワースになる。『ホース・ソルジャー』でのグリーンベレー役でも記憶に新しい。彼は190㎝の肉体派になるがこのような正統派ゴリゴリのアクション映画に出演するのは珍しい。「クリス・ヘムズワースはこんなに格闘アクションできるのか!」とちょっとビックリした。あのジェイソン・ステイサムに匹敵するぐらいだ。
アクションについては『ジョン・ウィック』好きなら文句なしに好きになる映画だ。アクションシーンはそのジョン・ウィックのガンフー思い起させる。ジョンがハンドガンメインになら、タイラーはアサルトライフルといったところ。ライフルながらガンアクションはほぼ接近戦になっており、ライフルを使ったCQB(近接格闘)になっている。ガンアクションだけではなく、肉弾戦も多い。監督は異色のスタントマン出身のサム・ハーグレイブということからもアクションには力が入っている。カメラワークも秀逸でアクションシーンでは動くタイラーを追うような形で撮影されており、CGをほとんど使わないそのシーンは迫力がある。
バングラ軍の使用する銃が昔ながらの木製ストックのAK-74と哀愁があってよい。またニック・カーンたちはいわゆるPMCになるのだが、後半に出てくるメンバーの装備が如何にもPMCという感じの装備のところに好感がもてた。
タイラーレイクの銃
BCM CQB-11
タイラーが前半に使用しているライフルはBCM CQB-11になる。BCM(Bravo Company Manufacturing)はアメリカの銃メーカーになり、主にAR-15系のライフルを開発している。
ダニエル・ディフェンスM4A1
最後の橋での戦いに使用しているのが、アメリカのダニエル・ディフェンス社のM4A1になる。米国特殊作戦司令部(SOCOM)のSOPMOD IIに対応した銃になる。これはおそらくキャスパーの家から調達した銃と思われる。
タイラーは使い慣れたM4(AR-15)系を好むようだ。
A hardened gun-for-hire's latest mission becomes a soul-sear…