米海兵隊のF-35C空母艦載機がイエメンで史上初めて戦闘に参加!

米海兵隊のF-35C空母艦載機がイエメンで史上初めて戦闘に参加!
US Navy

アメリカの最新鋭第5世代ステルス戦闘機F-35ライトニングIIの艦載機仕様である米海兵隊のF-35Cが中東イエメンで史上初の戦闘任務に参加した。

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中東に拠点を置くアメリカ中央軍(CENTCOM)は11月12日火曜、公式SNSでイエメンの反政府武装組織フーシ派の拠点を攻撃するために原子力空母エイブラハム・リンカーン(CVN72)から離陸する艦載機の様子を公開した。この攻撃について米国防総省のパトリック・ライダー報道官は「11月9日から10日にかけて、中東を管轄するアメリカ中央軍(CENTCOM)部隊が、イランが支援する反政府勢力フーシ派が支配する多くの地域を標的にした攻撃を実施した。紅海と湾岸の公海で活動する米国および国際軍隊を標的としてフーシ派が使用するさまざまな先進的な兵器を保管する施設に対して一連の精密攻撃が開始された。この戦闘任務には、F-35C戦闘機を含む米国の海軍および空軍の資産が関与している」と述べた。攻撃翌日の11日に艦隊がバブ・エル・マンデブ海峡を通過する際に、フーシ派の反撃をうけるも、アーレイバーク級ミサイル駆逐艦ストックデール (DDG 106) とスプルーアンス (DDG 111) が少なくとも8機の自爆ドローン、5発の対艦ミサイル、3発の巡航ミサイルを迎撃。艦隊や人員に損害はなく、反撃の阻止に成功したと報告している。

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F-35Cの戦闘参加は今回が史上初

CENTCOMが公開した動画ではF/A-18Fスーパーホーネット戦闘機、EA-18Gグラウラー電子戦闘機、そして、3機目にF-35CライトニングIIが離陸していく様子が確認できる。F-35Cは米海兵隊VMFA-314飛行隊別名「ブラックナイツ」に所属する機体になり、これまで実戦投入されていなかったF-35C型にとってこれが初の戦闘参加になり歴史的なミッションとなった。F-35Cの外部パイロンに兵装は見られず、完全なステルス状態で出撃したと推察される。ウェポンベイには統合直接攻撃弾JDAM、レーザー誘導の精密航空電子誘導ペイブウェイが搭載できる。F-35Cは、A型とB型に続き、F-35ライトニングIIシリーズで実戦投入された最後のモデルとなった。

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3つのモデル

F-35B(USMC)

2015年から配備が始まったF-35にはA/B/Cの3つのモデルがある。2016年に就役した基本形のF-35Aは離着陸(CTOL)機で、滑走路から離発着するように設計されており、航空基地をベースに運用される空軍用に特化したモデル。2015年に就役したF-35Bは短距離離陸・垂直着陸(STOVL)できるモデルで、滑走路の短い辺境の短距離離陸基地や強襲揚陸艦の短い飛行甲板でも離発着が可能と運用領域が広いのが特徴。そして、最も遅い、2019年に就役したF-35Cは艦載機用に開発したモデルで空母作戦用に特別に設計されており、空母からの発艦を可能にするためにカタパルトに対応、翼及び尾翼の大型化、着艦に対応した、より強力な着陸装置、双輪ノーズギア、強力なテールフック、折り畳み式の翼を備えている。

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F-35シリーズの初戦闘の歴史

3つのタイプの中で最初に実戦を経験したのはF-35Bで2018年9月27日、第13海兵遠征隊第211戦闘攻撃飛行隊所属の機体がワスプ級強襲揚陸艦エセックスから離陸。アフガニスタン・カンダハル州の反乱軍を攻撃している。

次がF-35Aになり、2019年4月30日、米空軍の2機のF-35Aが「生来の決意作戦」の一環として、イラクのワディ・アシャイにあるISISの標的を攻撃した。ただ、厳密にいうと、これがF-35Aの初の戦闘ではない。2018年5月にイスラエル空軍のF-35Iアディールが場所は明かされていないが中東への攻撃に使用した事をイスラエル国防軍が明らかにしている。F-35IはF-35Aのイスラエル軍仕様なり、F-35全体を通してもこれが初の戦闘記録になる。

そして、今回、2024年11月9日に米海兵隊のF-35Cが初めて戦闘に参加した事で晴れてF-35シリーズ全てが戦闘を経験したことになる。

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