アメリカ海兵隊は、新しいタイプの50口径弾の射撃場、演習での使用を予定しています。この新しい50口径弾は、薬莢が軽量ポリマー、いわゆるプラスチックで作られています。これにより、弾薬重量が約4分の1削減され、弾薬は大幅に軽量化されます。
ポリマー製の弾薬は試験環境での予備試験に既に合格し、現在、海兵隊に割り当てられており、ちかく射撃場や演習において新しい50口径弾が使用される予定です。海兵隊のケリー・フリン氏によると、東西海岸にある米海兵隊歩兵学校、上級機関銃コース、第1および第2水陸両用戦闘大隊の海兵隊員が、ブローニングM2機関銃の新ラウンドとして最初に試す可能性が高いとのことです。今年後半には開始され、2022年に海兵隊及び、陸軍の戦闘部隊の50口径弾をポリマー製に交換するかどうか決定します。
弾薬の薬莢は一般的には真鍮という金属でできていますが、軽量ポリマー製にすることで約25%重量を削減できます。ポリマー製の薬莢は米陸軍が検討を進める次世代分隊火器NGSWの新しい弾薬6.8mm弾でも検討が進めれています。軽量化することで運輸量、携行弾数が増え、兵站の点で大きな利点をもたらします。
海兵隊総司令部の司令官であるA.J. Pasagian将軍は、1,000万米ドルを投資したポリマー薬莢の50口径弾は、試験場での評価に合格したと述べました。これまでのところ、テスト結果は非常に良好で、温度変化下でもポリマー製の薬莢は変形せず、安全に使用でき弾道もフラット、射程が短くなるということもありません。性能は真鍮製の弾薬と一緒です。
しかし、まだテストは完全ではありません。Pasagian氏は、「より実用的な運用環境でテストする必要がある。実戦環境には砂、泥、水、その他、未知の汚れや影響がたくさんある。兵士が武器を掃除したり銃を定期的にメンテナンスしたりする機会がない日もある。プラスチック製のシェル弾がそのような極端な条件下で効果的に機能するかどうかをア確認する必要がある。」と述べています。
海兵隊は最初に戦場に入り、後続のための拠点制圧、進軍など迅速な行動が求められます。そのため装備の軽量化は海兵隊にとっては長年の課題でした。更に米海兵隊は現在、第二次世界大戦以来最大の変革期を迎えています。戦車大隊を廃止、部隊をよりコンパクト化し、機動力を上げる共に小隊規模でも前哨基地の拠点を提供できるようにするなど部隊の作戦能力を上げることが求められています。そのためには戦闘に必要な装備の軽量化が求められます。