Udav(ウダフ)はロシアの兵器メーカーRostecの一部であるTsNIITochmashが開発した新しい9mm自動拳銃。Udavはロシア語でアナコンダを意味する。2014年3月に開発が開始されたUdavは2019年の陸軍フォーラムで初公開された。同年にはロシア国防省のテストに合格しており、ロシア軍による正式採用が決定している。2020年8月より量産が開始され、ロシア軍と警察が使用する古くなったマカロフとイジェメックMP-443に代わる拳銃として配備が予定されている。
専用の9×21mm弾丸を使用
Udavの特徴は使用する弾丸だ。Udavは9mm口径の拳銃だが、使用する弾丸は世界的に流通している9x19mmパラベラム弾ではなく、ロシアが開発した9x21mmギュルザ弾を使用。9x21mmギュルザ弾はパラベラム弾よりも大きく強力で、独自に開発された発射機構から発射された弾丸の有効射程は100m。最大75 mの距離でレベル2のボディアーマー、ヘルメットを貫通する威力がある。徹甲弾のSP-10やリードコア付きのフルメタルジャケット弾のSP-11、低反発弾のSP-12、トレーサー弾のSP-13など複数の弾薬を使用できる。強力な分、反動も大きいため誰でも扱えるわけではない。ちなみに通常の9×19mmモデルもある。ダブルカラムのマガジンの装弾数は18発と大容量で、マガジンは特許を取得した残弾が一目で目視できる新しいデザインが採用されている。
AK-47並みにタフ
ロシアの銃といえばAKシリーズに代表されるタフさだ。AKはロシアの凍える寒さ、中東の酷暑でも故障せずに変わらぬ性能を発揮する。Udavにもその系譜は受け継がれており、マイナス50℃から摂氏50°Cの温度範囲で問題なく動作し、1万発のショットに耐えられることが実証されている。泥や砂がバレル内に入っても使用できる。
その他スペック
Udavは最近の銃としては珍しいダブルアクションのハンマー方式を採用している。これは暴発のリスクを少なくするためとされている。アンビシステムを採用し、マガジンキャッチ、セーフティーロックなどは両側から操作できる。ピストルグリップは弾丸が大きいため、幅が広くなっており、これまで通常の9mmを使ってきた人には慣れが必要なのと手が小さい人には握りづらくなっている。銃口下にはレーザーサイトやライトを取り付けるためのレールがあり、銃口には取り外し可能なネジ式のサイレンサーが装着できる。Udavには弾丸が尽きた時に知らせるスライドストップを戻すボタンがない。マガジンをリロードすると自動で射撃モードに切り替わる。
口径 | 9mm |
重量 | 780g(マガジンなし) |
全長 | 206mm |
銃身長(バレル) | 120mm |
弾丸 | 9×21mm弾 |
装弾数 | 18発 |
射程距離 | 100m |
初速 | 810 m/s |
https://rostec.ru/news/pistolet-udav-raznokalibernye-perspektivy/