ウクライナが無人水上艇で再び黒海艦隊の旗艦を攻撃、その一部始終を収めた映像が公開

ウクライナが無人水上艇で再び黒海艦隊の旗艦を攻撃

ウクライナのものと思われる無人水上艇(USV)がクリミア半島のセヴァストポリ港に停泊するロシア海軍黒海艦隊の2隻の艦船を攻撃、USV目線の攻撃時の映像が公開された。

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10月29日の朝、クリミア半島のセヴァストポリ港沖の黒海艦隊の船2隻が攻撃を受けた。攻撃を受けたのは旗艦モスクワが沈んだことで黒海艦隊の新しい旗艦となったフリゲート艦のアドミラル・マカロフ(11356R プロジェクト)、そして、掃海艇のイヴァン・ゴルベッツ。2隻は共に沈没までには至っていないものの、マカロフのレーダーは損傷し、無効化され、イヴァンの船体には大きな穴が開くなどダメージを受けたとされるが、映像や画像は今のところ無いため、実際の損傷程度は不明だ。

この2つの艦に攻撃を行ったのは2隻の無人水上艇(USV)だ。このUSVはいわゆる自爆ドローンというもので、爆薬を積んで船体ごと船に体当たり攻撃する兵器だ。そして、船に突っ込むまでの一部始終を撮影したUSV目線の映像も公開されている。

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映像

これが旗艦アドミラル・マカロフと掃海艇イヴァン・ゴルベッツまでに突っ込むまでの映像の一部始終を収めた映像だ。おそらく、日が昇りきる前の暗い早朝と思われ、白黒の赤外線カメラによる映像になるが、2隻の船を捉えており、しかもだいぶ近いところから撮影されていることが分かる。映像の最後には爆発したような閃光が港を撮影する監視カメラに捉えられている。

2つ目の映像では船が近づく前に機銃の攻撃を受けていること分かる。上空にはヘリも飛んでおり、タグボートのような小型船の直ぐ後ろを航行しているのも目にとれる。このUSVは最高時速110kmといわれる高速艇、それを海上で機銃で迎撃するのは容易ではない。最後に爆発する様子が捉えられているが、この映像が一つめの映像と同じUSVなのかは不明で、爆発も攻撃に成功したものなのか、迎撃されたものなのかは不明だ。そもそも、この攻撃事態が何隻のUSVによって行われたのかも分からない。

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攻撃した無人船

クリミア大橋の破壊は無人艇によるものか?9月にクリミアで見つかった爆薬を積んだ無人艇

この攻撃の一カ月以上前の9月中旬にクリミア半島のセヴァストポリの海岸で正体不明の無人艇が見つかっている。船のマスト部分にはカメラ、船首には前方認識用のレーザー赤外線 (FLIR) タイプのデバイス、カメラの後ろには通信用のフラットアンテナが取り付けられており、これが遠隔操作可能な水上ドローン、無人艇(USV)ということがわかる。映像と写真の船首のカメラは一致するので、おそらく同一の船だろう。この時、船の中には爆発物があったようで、ロシア当局は船を回収することなく、沖合に曳航し、爆破処理している。つまり、過去に既に攻撃の試みないしは予行演習は行われており、ウクライナの海岸線からセヴァストポリまでの航行を確認し、今回、本格的な攻撃に移ったのかもしれない。

今回の攻撃、ウクライナ軍からの公式の発表はなく、参加も認めていない。ロシア側はこの攻撃にイギリスが関与していると非難。ロシアはウクライナ産穀物の黒海を通じた輸出を実現させたウクライナ、トルコ、国連の4者合意について参加停止すると表明。イギリスが関与しているという根拠はない。

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ウクライナが無人水上艇で再び黒海艦隊の旗艦を攻撃
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