ウクライナによるロシア国内での破壊工作が活発化

ウクライナは以前から工作員によるロシア国内での破壊工作を行っているが、ここ最近は活発化、そして、より大胆になっている。

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イーゴリ・キリロフ中将の暗殺

ロシアの首都モスクワで12月17日火曜、爆発があり、ロシア軍の放射線・化学・生物学防護部隊のトップであるイーゴリ・キリロフ中将と一緒にいた補佐官1人が死亡した。ロシア連邦捜査委員会の発表によると、アパート建物の出入り口付近のスクーターに仕掛けられた爆発装置が起動し、2人はその爆発に巻き込まれた。犯行に関わったとして、ウズベキスタン人が逮捕されているが、ウクライナ保安庁(SBU)によって実行された暗殺とされている。SBUからは公式発表はない。キリロフ中将の死亡はウクライナでの戦闘以外としては最高位になる。キリロフ中将は国際的に使用が禁止されている化学兵器のウクライナでの使用を命じたとされている。

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ミサイル科学者暗殺

12月12日の報道によれば、ロシアの巡航ミサイルの近代化を監督していたロシアの上級ミサイル科学者の権威であるミハイル・シャツキー氏が暗殺された。同氏はロシア軍のミサイルの研究開発を行うモスクワ実験設計局マーズの副総責任者兼設計責任者でKh-59およびKh-69巡航ミサイルの近代化を監督する責任を負っていると言われており、ドローン向けのAI技術にも取り組んでいたと報じられている。同氏はモスクワにある自宅から徒歩10分ほど離れた公園の森の中で射殺された。公式発表はないが、ウクライナ国防省情報総局(GUR)によって実行されたと報じられている。

Su-27戦闘機を破壊

12月14日土曜、クリミア半島の東、クラスノダール地方にあるクルイムスク空軍基地で機関車3台とSu-27戦闘機が破壊された。破壊といってもミサイルやドローンといった長距離攻撃を受けたのではなく、ウクライナ国防省情報総局(GUR)の破壊工作によるもので、同局は機関車とSu-27が燃え上がる動画を公開している。動画を見る限り、工作員が基地内に侵入し、破壊工作を行ったことが分かる。ちなみにGURは破壊した機体をSu-30SMと発表したが、その後の検証でSu-27と確認されている。クリミア半島の空軍基地はウクライナの攻撃により、壊滅的な打撃を受けており、クリミアに近いクルイムスク空軍基地がクリミアの防空及びウクライナ南部を空爆する拠点であり、同基地への攻撃はウクライナにとって戦略的かつ、ロシアに心理的な影響を与える目的を果たすものでもある。

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黒海艦隊ミサイル旅団参謀長暗殺

2024年11月にはロシアが占領するクリミア半島のセヴァストポリでロシア海軍黒海艦隊第41ミサイル旅団のヴァレリー・トランコフスキー参謀長が自動車爆弾によって暗殺された。爆弾は同氏が乗る車にしかけられていたとされ、遠隔操作によって起爆された。トランコフスキー参謀長はミサイル旅団指揮官としてウクライナの民間施設へのミサイル攻撃を命じており、攻撃によって数百人の民間人の死傷者を出していた。

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カリーニングラードの掃海艇を破壊

ウクライナ国防省情報総局は10月7日、ロシアの飛び地であるカリーニングラード州で破壊工作を実施。バルチック艦隊の掃海艇アレクサンダー・オブホフが損傷し、エンジンに水が入るなどして活動不能になったと発表した。動画も公開しており、工作員が船内まで侵入し、破壊活動を行っていることが分かる。カリーニングラードはウクライナ北西部の国境から約400km離れた場所でポーランドとリトアニアの間の飛び地だ。ウクライナがカリーニングラードでバルチック艦隊の艦船に破壊工作をするのは今年2度目で、今年4月にはミサイル艦セルプホフが炎上している。バルチック艦隊はウクライナでの戦局にほとんど影響しないが、攻撃されたという事実が与える心理的影響は大きく、ポーランドやバルト三国などバルト海に面するNATO諸国にとってはありがたい話だろう。

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これら、破壊工作はウクライナの諜報員がロシア国内に潜入して行うものもあるが、ロシア人の協力者や金銭によって実行者を雇うこともある。キリロフ中将の暗殺ではカザフスタン人が拘束されているが、おそらく金銭で雇われていた可能性が高い。また、闇バイトのような感覚で若者が高い報酬に目がくらみ実行する事もある。ロシアのヤマリア州ノヤブリスクの空港で、Mi-8ヘリが放火で破壊された。犯人として13歳と14歳の少年が逮捕されている。彼らはフェンスの穴から空港に侵入し、Mi-8に可燃性液体をかけ、タバコで火をつけてから逃走した。2人はSNSで500万ルーブルという報酬に応募して実行している。こういった若者の犯行はロシア・ウクライナ両国で多々みられる。

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ウクライナによるロシア国内での破壊工作が活発化
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