ウクライナ軍志願兵は中国の56式自動歩槍を使用して訓練を行っています

ウクライナ軍志願兵は中国の56式自動歩槍を使用して訓練を行っています
Photo Frank Augstein/AP

イギリスでNATOの国際訓練を受けているウクライナの新兵は中国製の56式自動歩槍を受け取り、ロシアと戦うための軍事訓練を行っています。

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イギリス国防省は数万人規模のウクライナ人志願兵を受け入れ、ロシアとの戦線に赴くための新兵訓練を陸軍主導で行っています。そこで気になるのが訓練で使用する小銃です。英陸軍の主力小銃と言えばブルパップ式のL80(SA85)です。訓練の様子を見ると、ウクライナ兵もこれを使用して訓練しているように見えますが、イギリスがウクライナにL85を供与している情報はありません。L85は英陸軍を象徴する銃ですがタラブルシューティング対応など、扱いには経験がいる銃と言われています。彼らウクライナ新兵たちがウクライナに戻った時に実際に手にするのはメンテナンスが楽なAK-47やAKMといった旧ソ連の小銃になります。ソ連の武器庫であったウクライナには旧ソ連時代の大量の銃器が残っているのと、東欧から多くのAKタイプの銃の供与を受けています。そこで、英陸軍は訓練用として彼らにAKタイプの小銃を与えました。それが中国製の「56式自動歩槍」です。

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56式自動歩槍とは

56式自動歩槍は中国で生産されたAK-47のコピー品で、スペックはほぼAK-47と一緒です。1956年に中国人民解放軍に採用され、1970年代からは中国の軍需企業”中国北方工業公司(NORINCO)”社によって量産。中国軍では1980年代まで主力小銃として使用されていました。AK-47のコピーだけあって、メンテナンスが楽で、コスパが良く、今では中東やアフリカの紛争地帯で多く使用されています。AK-47との見た目の違いは銃剣部分になり、AK-47には銃口下部に着剣装置が付いていますが、56式は折りたたみ式のスパイク銃剣が装着されています。ただ、これは現代では使われいなく、銃剣が無い場合、AK-47と56式を一目で見分けるのは困難です。今では56式は本家のAKより数多く生産されています。本家であるカラシニコフ社のAK-47オリジナルはもう数少ないとされ、現在の世界の戦場見られるAK-47のほとんどは56式といった第三国のコピーかライセンス製品になります。

中東から押収した56式

イエメンに向かう船から押収された56式自動歩槍(US Navy)

イギリス政府はウクライナ兵訓練のためにユーゴスラビア(セルビア)製のAK-47/AKMの派生である「ツァスタバ M70」を購入したことがあります。「56式自動歩槍」も同じく訓練用に購入とも思われましたが、現在の時勢で英陸軍が中国製の兵器を購入するわけがなく、ウクライナ軍に供与された56式はアフガニスタンやイラクといった中東で押収した銃になります。同地域には闇市場で流れた大量の56式が出回っており、アメリカも2018年以降、1万挺以上を押収しています。また、ウクライナ兵が受け取ったのは固定ストック式ではなく、折り畳み式ストックを採用したAKSタイプの取り回しの良いタイプになります。56式は外国人義勇兵、ドネツク・ルガンスク人民共和国の民兵部隊でも使用されており、ウクライナ、ロシア双方が使用する銃器です。

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