ウクライナ国防省は14日水曜、黒海でロシア海軍黒海艦隊のロプーチャ級大型揚陸艦シーザークニコフ(Caesar Kunikov)を撃沈したことを発表した。同級揚陸艦の損害はこれで4隻目となり、無人艇による撃沈は今月2隻目だ。
Veni, vidi, vici.@DI_Ukraine released video of the successful strike on the russian landing ship Caesar Kunikov. pic.twitter.com/RPcpDi0Dck
— Defense of Ukraine (@DefenceU) February 14, 2024
地上の戦線は停滞し、最近は苦戦が報じられているウクライナ軍。しかし、地上以上に戦力差が大きいはずの海上、黒海においては攻勢を強めており、大きな戦果を上げている。ウクライナ国防省及び、同省傘下情報総局(GUR)は14日、クリミア半島沖でロシア海軍黒海艦隊のロプーチャ級大型揚陸艦「シーザー・クニコフ」を撃沈した事を映像付きで発表した。攻撃はクリミア半島の南端アルプカの沖合4kmの海域でMAGURA V5(マグラV5)自爆無人艇数隻によって行われた。数は明かされていないが、映像では少なくとも2度の爆発が見える。この攻撃により、左舷に大きな穴が開き、船は左に傾く形で完全に横倒しに。状況から見て船は沈んだと思われる。最後、沈む船を撮影していることから最低でも3隻の無人艇が投入されたことが分かる。ロシア軍は同海域で6隻の無人艇を撃破したと発表しており、自爆無人艇による飽和攻撃とされる。同船には約50名の船員が乗っていたとされるが、救出作戦は失敗したと報じられている。船が積み荷を輸送中だったのか、荷降ろし後なのかは今のところ不明だ。
今月だけで2隻目の撃沈
mod russiaウクライナ国防省は1日、自爆無人艇による攻撃で、ロシア黒海艦隊のミサイル艇Ivanovets(イワノヴェッツ)を撃沈した事を映像付きで発表しました。ロシア海軍にとっては2024年最初の損失になり、今年も黒海艦隊[…]
ウクライナ軍の自爆無人艇によるロシア海軍艦艇の撃沈は今月2隻目になる。ウクライナ国防省は今月1日、自爆無人艇による攻撃で、ロシア黒海艦隊のミサイル艇Ivanovets(イワノヴェッツ)を撃沈した事を発表している。この攻撃はクリミア半島西側の黒海とつながる塩水湾であるドヌズラフ湖で行われ、攻撃によって船体左舷に大きな穴が開いたイワノヴェッツは艦尾から湖の底へ沈んでいった。この時、攻撃を実施したのはGRU所属の特殊部隊「グループ13」になり、シーザー・クニコフの攻撃も同部隊によるものだ。また、イワノヴェッツはシーザー・クニコフ同様、複数の無人艇による飽和攻撃によって撃沈されている。
ウクライナ軍の自爆無人艇攻撃は2022年秋ごろから行われていたが、艦艇に多大な損傷を与えるものの、撃沈までには至るケースはほとんどなかった。しかし、ここに来て2隻連続の撃沈だ。前回は排水量500トン級の比較的、小型な船だったが、今回は満排水量4000トン級の大型船だ。ウクライナ軍は無人艇攻撃の効果的な戦術をつかんだのかもしれない。シーザー・クニコフはウクライナ軍の攻撃によって無効化された25隻目の船になり、9隻ある大型揚陸艦の4隻目、黒海艦隊は3分の1の戦力を失った事になる。