ウクライナで撃墜されたロシア空軍の3機のSu-35フランカーEの残骸はアメリカとイギリスの研究所に送られ科学者によって分析されています。
ロシア軍はウクライナ侵攻が当初の予定から長引き、航空優位性がとれないまま戦闘を継続しています。ウクライナ軍の発表によれば、これまで220機以上の航空機を損失。その中には、Su-34、Su-34M、Su-35といったロシア空軍の新鋭機も含まれいます。特にSu-35はフランスのラファールやイギリスやドイツが採用するユーロファイタータイフーンと並ぶ第4.5世代戦闘機になり、機体性能はアメリカのF-15E、F-16C、およびF/A-18E/Fよりも優れているとロシアは主張しています。第5世代戦闘機Su-57の配備が遅々として進まないロシア空軍の中では、最も優れた主力戦闘機です。しかし、そんな優れた機体もこの戦争で既に3機を撃墜されています。最初の1機は今年の4月になり、2機目は5月に、そして3機目は7月に撃墜されました。1機目の残骸は4月中に分析のため既にイギリスのウィルトシャー州ポートダウンにある政府防衛科学技術研究所(DSTL)に送られ、イギリスの科学者と米空軍の担当者によって10日間分析されたあと、更なる分析のためアメリカのネバダ州に送られています。
SNSよりSNSに投稿された情報によると、ロシア空軍のSu-35戦闘機(NATO名:Flanker-E)がウクライナ領内で初めて撃墜されました。Su-35はロシアの第5世代ステルス戦闘機Su-57に次ぐ戦闘機であり、ウクライナ侵攻[…]
その対象となっているのが、Su-35が持つ長距離攻撃システムです。最新のアビオニクスを搭載する同機に搭載されているIrbis-Eパッシブ電子スキャンアレイレーダーは400km先のターゲットを検出し、最大30個のターゲットを同時に追跡。そして、400kmの射程を持つ空対空ミサイル「KS-172」を搭載します。KS-172は「 AWACS(早期警戒機)キラー」とも呼ばれており、非常に脅威です。その他、短中距離の標的を補足追尾するIRST (赤外線サーチ&トラック) 、キビニーレーダー妨害システムも研究対象になっています。航空宇宙科学の分野で、世界をリードする米英がこれをリバースエンジニアリングして、その技術を取り入れることはありませんが、これらのアビオニクスのシステムを知ることで対処方法、弱点を知ることができます。1機目の機体の多くは消失していましたが。分析な必要なパーツは十分に残っていたそうです。おそらく、2機目、3機目も機体の状況によっては同様に分析のため、送られているでしょう。
中国軍の軍用機を知ることにもつながる
更にSu-35は中国人民空軍が24機購入しています。その目的は戦力として以外にも国産機開発のため研究目的があります。中国の国産軍用機はロシア軍機のリバースエンジニアリングによって得られた技術によって開発されており、Su-35の技術は中国軍機の最新機に応用されているとされます。つまり、Su-35を知ることは中国軍機を知ることにもつながります。
写真 中国人民解放軍長引くウクライナとロシアとの戦争、そして、それによる西側のロシアへの制裁はロシア軍に大きなダメージを与えていますが、これはロシアだけではなく、中国の軍事面にも負の影響を与えつつあるようです。米国空軍のシ[…]
Source
https://www.express.co.uk/news/science/1597094/Russia-fighter-jet-putin-latest