アメリカの国防高等研究計画局(DARPA)はCoded Visibility (CV)プログラムの開発のために複数の研究チームと提携したことを16日発表しました。CVは敵の検出システムと視界を抑制しながら、味方の視界を確保、視認性を高め、視覚的優位性を得るための新しいスモークを開発するプログラムです。
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一方からは見えないスモーク
相手の視界を遮る際に戦場で一般的に使用されるのはスモーク(煙幕)です。スナイパーから狙われている時、レーザー照準を受けている時など、スモークを焚いて敵の視界や誘導システムを遮ります。敵の視界を遮る一方、自身の視界も遮ることになるので、敵の動きを把握することができなくなります。今回、DARPAが開発するCVプログラムのスモークは、従来のスモーク同様、敵の視界を不明瞭にする一方、味方の視界は遮らずに一方向の視界を得るものであり、これを「受動的非対称性」と呼んでいます。車の中から見るスモークガラス、マジックミラーを想像してもらうと分かりやすいかもしれません。
CVは人体への害のない非危険性の不透明微粒子からなるスモークになります。アメリカのある政府機関はレイセオン テクノロジー研究センターと調整された特性を持つ複数の微粒子で構成される新しい遮蔽剤を開発し、ラボ、パイロット、およびフィールド テストで非対称視覚機能を既に実証しています。ただ、今の段階ではまだ微粒子が人体に対し危険であり、被験者は呼吸器マスクを装着する必要があります。CVはセンサーと連携されるようですが、視界が裸眼でも確保されるのか、専用の光学機器を用いるのかは今のところ不明です。しかし、これが実現されれば、戦場は一方的になるかもしれません。
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