アメリカ国防省のプログラム室である「F-35共同計画局(JPO:F-35 Lightning II Joint Program Office)」が「退役軍人の日」のポスター画像にF-35ライトニングIIではなく、中国のJ-35戦闘機の画像を使用したことで非難を浴びている。
Military.comの報道によると米国防省のF-35共同計画局は11月11日の「退役軍人の日」に”今日、そして毎日、私たちはすべての退役軍人と現役軍人の奉仕と犠牲に感謝する”と言葉と共にインスタグラムとXに星条旗とF-35”らしき”戦闘機のイラストをあしらった画像を投稿した。”らしき”というのは、一見、ポスター画像の戦闘機はF-35に見えるが、実際のF-35にはない設計要素が入っているからだ。それは双発エンジンだ。
F-35にはA/B/Cの3つのタイプがあるが、どれも共通してプラット・アンド・ホイットニー F135 ターボファン エンジン一基を搭載した単発機である事。双発エンジンを搭載したモデルはない。
中国のJ-35の画像を使ったのか?
この特徴があるのは中国がF-35をコピーして開発しとされるF-35に酷似した第5世代ステルス戦闘機の「J-35」だ。J-35は第5世代ステルス戦闘機として中国瀋陽飛機工業集団が自費開発したJ-31をベースに艦載機仕様にアレスティング・フックやカタパルトバーと折りたたみ式の主翼を採用して開発された機体。F-35ライトニングIIに似た外観を持ち、これらを模倣しているとされるが、F-35と違うのは単発エンジンではなく、双発エンジンである点。
PLAAF J-35A Fighter Jet Low Speed Fly by pic.twitter.com/fU6OVyK3AM
— David Wang (@Nickatgreat1220) November 10, 2024
開発完了は間近とされ、現在、中国広東省珠海市で開催されている第15回中国国際航空宇宙博覧会で始めて飛行する様子が一般公開されている。
ポスター画像は写真ではなく、イラストなので担当者が間違って、エンジンを双発にしてしまった可能性も否めなくはないが、彼らは「F-35共同計画局(JPO)」である。JPOは米空軍、米海軍、米海兵隊、国際パートナー、外国軍事販売顧客が選ぶ第5世代統合打撃戦闘機航空システムであるF-35A、F-35B、F-35Cのライフサイクル プログラム管理を主導するF-35に特化した組織だ。公開する前に誰も画像の間違いに気づかなったのは残念であり、JPOとしては致命的な失態だ。画像は既にSNS上からは削除されており、JPOはコメントを出していない。