アメリカ、押収した5000挺のライフルを含むイラン製武器をウクライナに移送

アメリカ、押収した5000挺のライフルを含むイラン製武器をウクライナに移送
CENTCOM

アメリカ中央軍はアラビア海周辺で押収したイラン製の武器をウクライナに移送した事を発表した。

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中東に展開するアメリカ中央軍(CENTCOM)は4月9日、公式Xで米政府が5,000挺以上のAK-47ライフル、機関銃、狙撃銃、RPG-7ロケットランチャー、および50万発以上の7.62mm弾をウクライナ軍に移送した事を発表した。これは、ウクライナ軍一個旅団に小火器を装備するのに十分な物資になり、これらの武器は、ロシアの侵略に対するウクライナの防衛に役立つだろうと述べた。

これらの武器はもともと、2021年5月22日から2023年2月15日の間に、米中央軍と同盟国の海軍によって、オマーン湾、アラビア海、アデン湾付近を航行中の無国籍船4隻から押収されたものである。これらの兵器は、国連安全保障理事会決議2216に違反して、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)からイエメンの反政府武装組織フーシ派に移送されていたものだ。米政府は、司法省によるIRGCに対する民事没収請求を通じて、2023年12月1日にこれらの兵器の所有権を取得していた。

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ウクライナに送られるイラン製武器

同海域で押収した小火器のウクライナへの移送はこれが初めてではない。前回の移送は2023年10月に行われ、その際も数千挺のライフルと7.62mm弾薬110万発が移送されたと報告されている。アサルトライフルの種類に関しては基本AKタイプになり、前回は主に中国でAK47をコピーして生産された56式自動歩槍が移送されたされている。今回ウクライナに移送されたAK47の中にも56式が含まれていた可能性は高い。56式は1956年から中国人民解放軍の主力小銃として生産が始まったライフルで、輸出用も含め1500万挺以上が生産された。現在、人民解放軍では使用されていないが56式は引き続き中国国内の予備部隊および民兵部隊で使用されており、輸出用にノリンコによって引き続き生産されている。この他、ロシア製の5.45x39mmライフルのVEPR AKS20Uも確認されている。

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2021年には、約9000挺の小火器がフーシ派に向かう途中で押収されており、2023年1月にはフランス軍がライフル3000挺と対戦車誘導ミサイル23発を、翌2月には米海軍が5000挺以上の銃火器と160万発の弾薬を押収したと報告している。米司法省は2023年7月時点で、9000挺以上のライフル、284挺の機関銃、約194発のロケットランチャー、70発以上の対戦車誘導ミサイル、および70万発以上の弾薬を押収したと報告しており、まだ、保管されている武器が多数あると思われ、これらも最終的にウクライナに向かう可能性は高い。ロシアを支援するイランだが、皮肉にも間接的だがウクライナへにも武器を供与していることになる。

イランによる武装集団への支援は、国際および地域の安全保障、我が国の軍隊、外交官、地域住民、そしてパートナー諸国の安全保障を脅かしており、米中央軍は引き続き、イランの不安定化活動を明らかにし、阻止するために全力を尽くすと述べている。

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