一度に350人が投降も、アフガニスタン軍兵士のタリバンへの降伏が続いています

一度に350人が投降も、アフガニスタン軍兵士のタリバンへの降伏が続いています

アメリカ軍がアフガニスタンからの撤退を始めた2021年5月以降、現地ではタリバンが攻勢を強めている。国連のアフガニスタン特別使節、デボラ・ライオンズによると、5月以降、アフガニスタンの370の地区のうち50地区以上が崩壊し、タリバンの支配下に落ちたとデボラ氏は6月22日の安全保障理事会で語った。ほとんどの地区でタリバン軍は州都を包囲しており、外国軍の完全撤退以降に陥落させる算段とデボラ氏は報告している。既にタリバンは3分の1の地域を手中に治めているいう情報もある。

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5月末にタリバンは首都カブール周辺のラグマン、バグラン、ヴァルダク、ガズニの4つの州にある少なくとも26のアフガニスタン軍の前哨基地に対し、長老伝いに「降伏するか?死ぬか?」と勧告。投降すれば安全な通過を約束した。全ての前哨基地がこの勧告に従い降伏し、数百人の兵士が武装を解除、投降した。これらの降伏は長老や部族長が説得、推し進めているケースもあり、政府軍は降伏を奨励したとして、アフガニスタン全土で数十人の部族長を逮捕している。しかし、中には弾薬が枯渇し、食べ物が不足していたり、一部では5か月間も給与が支払われていないなど環境が悪化していた拠点もあり、米軍が去る中、士気も低下していた兵士も多かったとされている。

これ以降、アフガン軍の多くの基地で降伏が進んでいる。そこにはタリバンの巧みな戦略があり、この降伏する様子を動画で撮影し、それをSNSで拡散して、プロパガンダとして活用している。

上の動画はカンダハール近くのウルズガン州の前哨基地の兵士が降伏して投降する様子だ。ここでは述べ100人の兵士が武器を持って降伏した。動画見る限り兵士に危害が加えられるよう様子は無く、タリバンが歓迎するかのように迎え入れ、非常に平和的に見える。

これはバリフ州での降伏の様子だ。こちらも非常に平和的だ。タリバンは血を流さずに降伏を進め、それを映像で拡散させることで、他の基地のアフガン軍兵士に目に触れさせる、兵士は降伏すれば、危害を加えられることはないと安心して戦わずに投降する。タリバンはこうやって心理戦を仕掛けて、毎日数百人を投降させ、時には一度に350人の兵士を投降させるなど勝利をおさめている。もちろん、全ての基地が無条件降伏する訳ではなく、果敢にも戦う基地も少なからずある。

投降した兵士の銃や基地にあった武器はもちろん、タリバンに接収され、タリバン兵士の武器となる。上の動画では米軍から提供されたと思われるハンヴィーも目に取れ、車両なども含まれている。また、投稿する兵士の中にはタリバンに合流する者も多いとされ、タリバンは血を流さずに兵士と武器を手に入れ、大幅に戦力を強化、勢力を拡大している。

米軍と有志連合は述べ20年をかけて、アフガン軍・治安部隊を訓練してきた。長年に渡って米軍式の訓練を受け、装備を与えられた彼らは、周辺諸国の軍と比べても十分な強さと練度を持っているとされ、その戦力は26万人にも上る。米軍撤退以降、治安維持は完全にアフガン軍へと完全移行されることになるが、今ようなの状態では、この20年間の戦いが全て無意味だった実態に落ちいりかねない。

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Source
https://edition.cnn.com/2021/06/22/americas/afghanistan-taliban-districts-intl/index.html
https://www.nytimes.com/2021/05/27/world/asia/afghan-surrender-taliban.html
https://www.wsj.com/articles/taliban-advances-test-afghan-forces-morale-as-the-u-s-leaves-11624209389

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