ワグネルのプリコジンがバフムトを懸けてゼレンスキーに戦闘機での決闘を申し込む

ワグネルのプリコジンがバフムトを懸けてゼレンスキーに決闘を申し込む
Mig-29(mod russia)

ロシアの民間軍事会社ワグネルのトップ、エフゲニー・プリゴジンは2月6日、ウクライナのゼレンスキー大統領に東部の激戦地であるバフムトでの空中決闘を申し込みました。

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2月6日にTelegramに投稿された動画には夜間、Su-24攻撃機に乗るプリゴジンが映し出されます。彼はおもむろに酸素マスクを外すと、こう言います。「明日、私はMiG-29を飛ばします。ゼレンスキーよ、勇気があるなら、空で戦おう!勝てばバフムトをあなたに与えよう。もし、あなたが来なければ、私はドニエプルに向かう。」

プリゴジンが航空機を操縦できるのかは不明ですが、ゼレンスキー大統領はもちろん航空機の操縦はできません。これは冗談であり、ゼレンスキー大統領に向けた挑発のつもりかもしれませんが、バフムトの戦線が硬直している現状の焦りを示したものでもあるかもしれません。

プリコジンの発言はまるで、ワグネルが既にウクライナのバフムトを占領したかのような言いぐさですが、この地はまだウクライナ軍が堅守しています。

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ウクライナ東部のドネツク州の都市バフムトは交通の要衝で、侵攻を進める上で戦略的価値が高く、この地をどうしても落としたいロシア軍はここ数カ月、ワグネルの部隊を主力に猛攻を仕掛けています。今年に入り、近くのソレダールという小さな街をワグネルが奪取、北部一帯を制圧し、ロシア側が優勢との見方があったものの、要塞化したバフムトを落とすのは容易ではなく、その後、戦線は停滞。ゼレンスキー大統領はバフムトを徹底抗戦の象徴として、撤退はしないと明言しており、士気の高いウクライナ軍はこの地を堅守しています。

プリゴジンもバフムトでの苦戦を認めており、侵攻は鈍化、ロシア軍とワグネルは北部、南部、東部の三方向から侵攻するも、どの戦線でもウクライナ軍を撤退させるには至っていないことを2月5日に認めています。この数か月の戦闘でロシア軍、ワグネルともにかなりの人員を消費、死傷者の数は20万人とも言われています。特にワグネルは囚人兵の人命を顧みない無謀な突撃作戦を何度も行い、戦果を上げるも、その代償として、かなりの人員を失ったとされています。その影響なのか定かではありませんが、最近ではワグネルに代わり、ロシア軍の空挺部隊など正規兵が投入されています。

とはいえ、英国防省はロシア軍がバフムトを包囲しつつあるとも分析しています。もし、西部が包囲されると都市への補給が絶たれ、ウクライナ軍の退路は絶たれてしまいます。バフムトはウクライナ側にとってはそこまで戦略的価値は高くないとされ、撤退案も上がっていますが、都市自体が要塞化、周りも丘など天然の要塞に囲まれ、持久戦を行うには適しており、この地でできるだけロシア軍に損害を与え、戦力を消耗させたいというウクライナ側の戦略的目論みもあり、戦いはまだ長く続きそうです。

プリゴジンの言う通りという訳ではないですが、トップの一騎打ちで戦争が終わればいいのですが…

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