10月8日早朝、クリミア半島とロシア本土を繋ぐ唯一の陸路であるクリミア大橋で爆発が起き、自動車橋が崩落し、線路橋が燃えた。
Closer look at the collapsed road span of the Crimean bridge pic.twitter.com/ZW1OOAKdns— OSINTtechnical (@Osinttechnica[…]
🚗🌉✅ pic.twitter.com/yXbGuaMeh0
— MFA Russia 🇷🇺 (@mfa_russia) October 8, 2022
自動車橋は崩落したものの、4車線の内、片側2車線は無事で既に通行再開しているが、大型車の通行はできなく、大型車用にクリミア大橋の完成で終了していたフェリーの運航を再開した。崩落した車線も道路部分は吹き飛ばされたが下のアーチは無事だと述べており、事実であれば車道の全面開通は早いかもしれない。
First test train, looks like the Crimea railway bridge is already getting ready to reopen. Not only does it look like Ukrainians are incompetent terrorists, they are murderers as well, getting innocent people involved in their crimes. pic.twitter.com/mYEGisgDir
— Chebureki Man (@CheburekiMan) October 8, 2022
線路橋も激しく炎上していたが、既に列車は撤去して試運転を行うなど運航を再開している。あの炎上で本当に問題ないのかいささか疑問だが、しばらくたてば、それも分かるだろう。
今回のクリミア大橋の爆発、ロシア国家反テロリズム委員会は橋を通過中の貨物トラックが爆発したと発表している。トラックはロシア側からクリミア半島に向かっていたもので、ロシア側の検問所を通過している。トラックに爆発物が搭載されていて起きた事故なのか、攻撃を狙って爆薬を積んでいたのかは不明だ。後者であれば自爆攻撃の可能性が高くなるが、ウクライナ軍もレジスタンスもそのような方法を取るとは考えにくい。トラックの所有者、運転手も身元は割れ、ロシア人ということも分かっている。ミサイルによる攻撃、若しくは予め仕掛けられて爆弾が爆発したという可能性もあるが、ここにきて、爆発の原因としてネット上で議論されているのが爆薬を積んだ無人艇(USV)による攻撃だ。
ウクライナ軍は無人艇を運用している
⚠️ Attention
— Real Libyan (@real__libyan) October 8, 2022
Looks like it was boat which exploded under the Crimean bridge not a truck…
Look carefully at the footage#Crimea#Kerch#KerchBridge
🇷🇺 🇺🇦 pic.twitter.com/Y0B1AgbkQy
上は爆発した瞬間を捉えた映像をスロー再生したものだが、爆発の直前に橋の下に波が見え、その瞬間に爆発している。この波が船が航行することによってできる航走波になり、船が橋の下で爆発してクリミア大橋が爆発したという説の根拠になっている。これはいきなり出てきた突拍子もない話ではなく、布石がある。
実は9月中旬にクリミア半島のセヴァストポリの海岸で正体不明の無人艇が見つかった。船のマスト部分にはカメラ、船首には前方認識用のレーザー赤外線 (FLIR) タイプのデバイス、カメラの後ろには通信用のフラットアンテナが取り付けられており、これが遠隔操作可能な水上ドローン、無人艇(USV)ということがわかる。船の中には爆発物があったようで、そのため、ロシア当局は船を回収することなく、沖合に曳航し、爆破処理した。つまり、この船が船に体当たりして爆発する自爆ドローンということも分かる。
ロシアの船ではないということはウクライナの船というのが大方の見立てだ。つまり、ウクライナの管理下にある海岸からセヴァストポリまで270km以上の長距離を航海し、黒海艦隊の母港であるセヴァストポリに停泊する船を狙ったものと推測される。しかし、残念ながら攻撃は失敗し、座礁してしまった。ウクライナは4月に艦種は不明だがアメリカから無人艇(USV)を受け取るなどして、実は訓練を進めていた。つまり、ウクライナはUSVによる攻撃を行う手段を持ち合わせている。
クリミアで見つかった船は電動エンジンで静穏性も高く、その外観からも爆発が起きた夜間に見つけることはほぼ困難だ。しかし、セヴァストポリと比べ、倍以上の距離があるクリミア大橋に到達するまではかなり長い航海になり、この手の小型タイプのUSVでそれだけの距離を連続航行できるものを知らない。クリミア大橋を狙うなら別の船によって、航続距離範囲内まで運ばなければ難しい。若しくはアゾフ海から船を出航させるかだ。ただ、アゾフ海に面するウクライナ領は全てロシアに占領されている。
ロシア側は調査委員会を立ち上げ原因を探っているが、正直な調査結果を発表するとは思えず、ウクライナが攻撃していたとしても今すぐ詳細を発表することはないだろう。
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