死の商人といわれた世界の武器商人6人

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死の商人といわれた世界の武器商人6人
ロード・オブ・ウォー

武器商人とはいわゆる武器商社のような立ち位置で軍や武装組織、兵器メーカーから武器を調達して他の軍や武装組織に売りさばく仲買人のような者になる。扱う武器は中古が多い。武器を必要とする者であれば敵味方関係なく武器を売り、合法的な取引もあるが多くが非合法の違法取引をしている。民兵や武装組織、国連から制裁を受ける国は合法的に兵器メーカーから直接武器を入手できないため彼らから武器を購入する。戦争、人が死ぬことで利益を得る彼らを世間では蔑称を込めて「死の商人」と呼ぶ。世界に武器を売りさばいた武器商人6人を紹介する。

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ビクトル・ボウト(1967-)

映画『ロード・オブ・ウォー』の主人公ニコラス・ケイジ演じるユーリー・オルロフのモデルとなっといわれる人物。ロシア人で元ソ連軍兵士。外国語大を出ており6か国語を操った。1990年、ソ連が崩壊するとビクトルは航空貨物事業を始めアントノフAn-8輸送機を使って合法的な輸送業務を行う傍ら、裏では旧ソ連製の武器をアフリカに密輸をした。その後もアフガニスタンや紛争ある地域に販路を広げ旧ソ連地域と結ぶ販売網を構築する。2008年、彼はタイ警察にテロ容疑で逮捕され、その後、米国に引き渡されコロンビア革命軍FARCに地対空ミサイルを売却したとして起訴され、2012年に25年の禁固刑を受けている。

バジル・ザハロフ(1849-1836)

ギリシャ人の武器商人。「死の商人」、「ヨーロッパの謎の男」と呼ばれた男は実業家であり、武器の売買で財をなした。当時、不安定だったヨーロッパの国々を始め、日本も相手に商売をしていた。彼のやり方は狡猾で、ある国に武器を売ると敵国が最新武器を購入したという心理的不安を利用して、その敵国にも売り、更にその敵国にも武器を売った。それらの武器の中には偽物や欠陥品も含まれていた。第一次大戦のきっかけを作った男ともいわれている。

アリ・ファヤド

レバノン生まれのウクライナの武器商人。レバノンのテロ組織ヒズボラの工作員であり、ウクライナの国営武器会社Ukrspecexportのマネージャーでもあり、元ウクライナ大統領ヴィクトルヤヌコビッチの顧問でもあった男になる。彼はコロンビア革命軍FARCに9K38イグラ地対空ミサイルと400発のRPGを830万ドルで売却しようとして米国の麻薬取締局(DEA)のおとり捜査によって逮捕される。現在、彼はレバノンでヒズボラの保護下にある。

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ゲルハルト・メルティン(1919-1993)

ドイツ生まれで元SS親衛隊の空挺部隊少佐。終戦後も生き延びた彼は中東のエジプトやシリアで軍を相手に軍事指導やコンサルを行う。1954年にはエジプトで武器の輸出入を行うMerex AGを設立すると中東や西側の情報機関と手を組んだ。ドイツ連邦空軍から手に入れたノースアメリカンF86をパキスタンに売却したことでも有名になる。チリの独裁者ピノチェットに武器の輸出を行い独裁体制の維持に協力した。

サミュエル・カミングス(1927-1988)

ゲルハルトとも商売をしていたアメリカの武器商人。戦後に米軍に入隊すると退役後の1950年にCIAに武器の専門家として入局する。戦後のヨーロッパを視察した彼はハリウッド映画の撮影と台湾政府のために余った兵器を購入した。朝鮮戦争では鹵獲した武器の特定も行った。1953年、彼は戦後に余った大量の武器と弾薬を売買するための会社Interarmcoを設立し、世界中に余った武器を集め、CIAで培った人脈と専門知識を使い、世界中の民間組織と政府に武器を売った。1950~60年代にかけては多くの銃メーカーを抑えてアメリカ市場を支配した。当時AR-10を売りだしていたアーマライト社の独占販売代理店でもあった。1968年には独自の銃ブランドInterarms(写真上)を創設する。

サルキス・ソガナリアン(1929-2011)

アルメニア系レバノン人の武器商人で「冷戦時代最大の武器商人」と呼ばれた。彼は当初、主に小火器を中東、アフリカ、中南米に売買していた。その後、1980年代のサダム・フセイン政権下のイラク政府に向けて銃器類と兵器を主に販売し、サダム・フセイン御用達の武器商人になることで有名になる。そのきっかけは実はCIAになり、1980年、米国に住んでいた彼はイラン・イラク戦争でイラクに武器を売却するためにCIAに雇われ、多額の武器をイラクに売却した。その後、CIAの関与を暴露して訴追された。

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武器商人を扱った映画とアニメ

ロード・オブ・ウォー

ロード・オブ・ウォー

ビクトル・ボウトと複数の武器商人をモデルにしたフィクション映画。ニコラス・ケイジ演じるユーリ・オルロフは家族でウクライナから米国に移住しレストランを経営していた。そんな時、ロシアマフィアの銃撃戦に間込まれたことをきっかけに武器商人として生きる事を決める。世界の軍人を賄賂で抱き込み武器を入手し世界中に売りさばく。その後、ソ連が崩壊し、そのチャンスを見逃さなかったユーリは世界屈指の武器商人まで成り上る。しかし、武器売買の世界は一筋縄にはいかなかった。インターポールに追われ、さまざまな犠牲をはらうことになる。

ヨルムンガンド

ヨルムンガンド PERFECT ORDER

武器運送会社HCLI社の女武器商人ココ・ヘクマティアルとその私兵8人と武器を憎みながらもココたちと一緒に世界を旅する元少年兵ヨナの物語を描いたアニメ。ココ達の武器商人としての出来事や元特殊部隊などが集まる私兵たちの生い立ちが描かれている。原作は『月刊サンデージェネックス』で連載された漫画になる。

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