世界の軍隊の格闘術(マーシャルアーツ)7選

世界の軍隊の格闘術7選
Photo by us army

現代の武道は技を磨き、身体と人格、精神を鍛錬するものである。しかし、もともとは人を殺傷、制圧するために作られた武術だ。軍や法執行機関では武術を本来の目的として取りいれ職務のために訓練している。その中でも軍隊は戦闘訓練された兵士やテロリストを相手にすることもあり、より高度で独自に発展させた格闘術(マーシャルアーツ)を取り入れている。世界の軍隊で使われている格闘術を紹介する。

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MCMAP(米海兵隊格闘プログラム)

MCMAP(Marine Corps Martial Arts Program)は米海兵隊で2001年から取り入れられたCQCの近接格闘術プログラム。海兵隊の発足時から白兵戦のために取り入れられていた格闘術は銃剣術とボクシングやレスリングといった西洋の格闘術をベースに発展してきた。戦後に空手や柔道、カンフー、テコンドーといった東洋武術も取り入れられ進化。格闘術だけではなくリーダーシップ、チームワーク、精神面の鍛錬など武道的な要素も含まれている。

Marine Corps Martial Arts Program (MCMAP) with extra illustrations (English Edition)

Modern Army Combatives(米陸軍格闘術)

2002年から米陸軍に採用された近接格闘術プログラム。考案者の第75レンジャー連隊のマット・ラーセンがグレイシーアカデミーでブラジリアン柔術を学び、そこにボクシングやムエタイといった打撃、柔道の投げ技といった他の武術を取り入れ、組技中心ながら戦術的な総合格闘術に発展させた。

The Official Us Army Combatives Handbook Current

Systema(システマ)‐ロシア

ロシアの近接格闘術として有名なシステマはソ連時代に考案され、KGBと特殊部隊スペツナズによって使われた。今でもスペツナズ、テロ対策ユニットの格闘術として使用されている。自己防衛 、組技、 近接武器を使った格闘術に重きをおいている。身体の使いかた呼吸法が大事とされており、システマの基本原則に沿う事で無駄な動きは無くなり、自然、論理的な動きを可能にする。合気道に近い面もある。

ロシア武術─自他を守り、心身を開発する打撃アート システマを極めるストライク! ストライカーとレシーバーのSETワークで学ぶ

KAPAP(カパプ)‐イスラエル国防軍

KAPAPはヘブライ語で”Face-To-Face-Combat”の頭字語をとった略語。このイスラエル軍の武術は、特殊部隊が主に使用している。防御戦術、白兵戦、自衛ののためのオリジナルの格闘プログラムで柔術とボクシング、ナイフの要素から成る。イギリスのユダヤ人が警官からの自己防衛として考案し、建国前のイスラエルのユダヤ人旅団によって格闘術へ発展、イスラエル軍に組み込まれた。

イスラエル近接戦闘術 KAPAP(カパプ) Face to Face Combat [DVD]

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Krav Maga(クラヴ マガ)‐イスラエル国防軍

クラヴは「戦闘」、マガは「接近・接触」を意味する近接戦闘術。ハンガリーのユダヤ人が考案。ボクシング、レスリングに警察の格闘術を組み合わせ、実戦を交えながら発展させた。建国前のイスラエルの民兵組織に伝えら、その後、イスラエル軍・警察の格闘術として組み込まれた。

護身術クラヴマガ [DVD]

Lerdrit(レドリット) ‐タイ軍

タイ王立陸軍が使用する近接格闘術。タイの前のシャム王国時代から使用している格闘術でタイらしくムエタイを軍仕様に発展させたもの。キックとパンチを軸に手、足、膝、肘、頭を攻撃と防御に使い、そこに組み技の要素を組み込んだ。

自衛隊格闘術

最後は我ら日本の自衛隊。もともと武道が発展していた日本は軍時代から日本拳法、空手、柔道、合気道、剣道と様々な武術を取り入れていた。戦後、米軍の格闘術を見た自衛隊はより近代的で戦術的な格闘術の必要性を痛感し、徒手格闘、銃剣格闘、短剣格闘から構成させる新しい格闘術を取り入れる。その後、戦い方や脅威は変わり、状況の変化に合わせ2008年には「新格闘」と呼ばれる新しいプログラムに更新されている。

徒手格闘入門

※格闘術は見様見真似や遊びでは絶対に行わないでください。怪我や事故に繋がります。

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