ドイツの軍事企業ラインメタル社はパリで開催されている欧州防衛安全保障展示会「ユーロサトリ2022」でこれまでにない新しいスタイルのグレネードランチャー「Squad Support Weapon 40(SSW40)」を発表しました。
アサルトライフルのようなグレラン
SSW40は世界初の自動マガジン搭載、肩撃ち式の40mmグレンネードランチャーです。歩兵が持つグレネードランチャーというとM320といったライフル下部に取り付けるアタッチメント式、ダネルMGLのようなリボルバー式がこれまで一般的でした。SSW40は独立した兵器で姿形、寸法、重量はアサルトライフルに似ています。どの兵士も使い慣れたこのデザインは合理的であり、人間工学的にも優れています。通常のアサルトライフルと比べ、射撃時の反動は大きいですが、反動低減および自己調整反動システムにより、反跳を減少させ、すべての利用可能な40mm低速(LV)弾薬と、新しいラインメタル40mm中速度(MV)弾薬の発射を可能にしています。
SSW40の肝となる新しいMV弾薬は、これまでの40mmグレネードと比べ、大幅に増加した速度と山なりではないフラットな軌道を持っており、ターゲットにより早く到達できます。40mmグレネードランチャーの射程はM320で200~300mほど、ダネルMGLで最大400mにはなりますが、SSW40とMV弾薬の有効射程は900mと大幅に拡大されます。歩兵部隊は中距離の投擲弾を手に入れることになり、将来の戦場で前例のない柔軟性と戦闘効果を実現します。
プーマ歩兵戦闘車に搭載されるTSWAがきっかけ
SSW40の開発は、プーマ歩兵戦闘車用の新しい砲塔独立二次兵器システム(TSWA、ドイツ語でTurmunabhängige Sekundär waffenanlage)と密接に関連しています。TSWAは近接攻撃用の360度兵器で20種類近くの非常に効果的な非殺傷、または殺傷兵器を発射します。これに搭載される40mmグレネードランチャーの弾薬として開発されたのが40mmMV弾薬になり、TSWAは2023年にプーマに搭載される予定で、40mmMVの開発完了がSSW40の開発のきっかけとなりました。
弾薬の種類
SSW40で使用する40mmLV/MVは状況に応じて殺傷、非殺傷合わせ下記の弾薬を使用することができます。
・フラグメンテーション弾 (HEFRAG 16)
・対戦車弾 (HEDP 16)
・ドアブリーチング弾 (HEBE 14)
・エアーバースト弾 (HEAB)
・トレーニング弾(TPM、TPM-T)
・照明弾
・発煙弾
・ 音・閃光・刺激弾 (CS)
SSW 40にはレーザーライトモジュールをエアバースト弾のためのIRプログラマーと制御照準器を装着することができます。
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