映画「アンノウン・ソルジャー」で見る継続戦争のフィンランド軍装備

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場

フィンランドの継続戦争を描いた戦争映画「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」が22日(土)より公開された。今回は映画が映画が描かれた時代のフィンランド軍の装備について紹介したいと思います。
第二次大戦のヨーロッパ戦線というとドイツ軍やソ連、米軍などの装備は映画など何度も取り上げられ詳しい方も多いかと思いますが、しかし、フィンランド軍の装備を知っている方は少ないはず、フィンランド軍の当時の装備はどうだったのでしょうか?

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アンノウン・ソルジャー
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当時のフィンランド軍はソ連装備

映画の中ではフィンランドは領土回復のためにドイツと協力してソ連に侵攻する。てっきりフィンランド軍が使用するのはドイツ装備かなと思いましたが、実はフィンランド軍は基本的にソ連式装備になる。 理由はソ連(ロシア)の隣国であるフィンランドは、かつてはソ連領になり、1917年にフィンランドが独立する。その時に国内にあったソ連の装備をもってフィンランド軍は生まれました。そのため、基本はソ連式装備となる。

主力小銃はロシア帝国が開発したモシン・ナガン、機関銃においてはこれもソ連から捕獲したマキシム機関銃を使っていた。その後、これらは国産されることになる。戦車においても基本はソ連から鹵獲した車両になり、継続戦争前はT-34、T-26いった車両もソ連から鹵獲していく。戦前は戦車一個大隊あるかないかだったが、戦中は鹵獲のお陰で豊かな大隊となった。

ドイツ軍の装備は少なかった

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場

ドイツは戦前に締結した独ソ不可侵条約でフィンランドをソ連勢力圏と認識しており、継続戦争前の冬戦争中は強力どころかドイツ軍はフィンランド軍の邪魔を(軍を邪魔)していて、基本的にドイツ式の武器はなかった。 対空砲はドイツのFlak38を使っていたが冬戦争前に入ったもので、追加購入は止められていた。 継続戦争の開戦により戦闘機のメッサーシュミット三号突撃砲が途中から入っている。そんな中でもドイツ式の装備で広がっていたのがルガー拳銃でこれはフィンランド軍創設に関わったイェーガー隊員が使用していたことに起因する。また劇中の兵士の軍服がドイツっぽく見えると思うが、これはドイツ軍をモデルにした1936年式になる。これらはヒトラー政権誕生の前になり、以前はフィンランドとドイツの関係は良好であった。

国産も意外に多い

世界最強のスナイパーライフルと言われるTRGを製造するサコ社があるフィンランドは武器輸出国の1つである。当時から銃においては国内生産を行っており、有名なのがスオミ機関銃である。反動を抑え70発のマガジンの装着が可能なこの銃は1990年代まで軍で保管され、30各国以上の軍隊でも採用された。他にも迫撃砲なども自国内で製造されていいた。

白迷彩はフィンランドが初!?

白迷彩 スミオ機関銃

劇中では雪の中でフィンランド軍がスキーを履いて行軍、戦闘するシーンがある。雪中戦といえば、白いカモフラージュである。白いカモフラージュの迷彩といえばソ連軍のイメージが強いが、冬戦争の時に、ソ連軍は迷彩には無頓着で目立つあのカーキの服のままであった。逆にフィンランド軍は白い軍服を着て戦いその迷彩効果でソ連軍を苦しめた。それを独ソ戦ではソ連軍が真似して、そしてそれをドイツ軍が真似をした。フィンランド軍が白迷彩を初めて近代戦争で使用したと言われている。

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劇中に出てくる武器解説

スオミ機関銃

フィンランドが国産開発した短機関銃で、ソ連のPPSh短機関銃にも影響与えた。9㎜パラベラム弾を使用し、セミオート/フルオートの切り替え式である。70発も入るドラムマガジン特徴的である。5.45kgと少々重たいが、これによってフルオートで安定して射撃ができるというメリットがあった。

モシン・ナガン小銃

モシン・ナガン小銃

帝政ロシアで開発、ロシア軍で使用された小銃だが、フィンランド独立の過程で大量に捕獲、調達され、その後フィンランド国内で同規格の小銃が順次改良されつつ国産された。7.62㎜口径のボルトアクション式で、弾倉には5発が収容される。

ラフティ対戦車ライフル

ラフティ対戦車ライフル

フィンランド国産開発された対戦車ライフル。なんと20㎜という大口径で、それだけ大きな威力があったが、重たく大きく何よりも極めて反動が強かった。威力が大きいといっても、所詮歩兵が携行するライフルであり、装甲が厚くなった新型のソ連戦車には歯が立たなかった。

サロランタ軽機関銃

サロランタ軽機関銃

フィンランドで国産開発された軽機関銃だが、しばしば弾詰まりを起こし、兵士にはあまり評判が良くなかった。弾倉にも20発しか入らないため、機関銃としての使い勝手も悪かった。利点は命中精度が良いことだった。

マキシム重機関銃

マキシム重機関銃

19世紀に開発された水冷機関銃で、世界中で使用されたベストセラー重機関銃である。フィンランド軍はやはり独立の過程でロシア軍から捕獲し、その後各国から購入、さらに国産された。とくにフィンランドの改良型として、軽量型の三脚架が採用され、弾薬ベルトがオリジナルの布製から金属製となっている。

ルガー拳銃

フィンランド軍で最も広く使用されたのが、ルガー拳銃であった。これはフィンランド軍創設に大きく貢献したドイツ帰りのイェーガー隊員がドイツ時代にルガーを使用していたことに起因するという。7.65㎜口径が多用されたが、9㎜口径も使用された。マガジンには8発が収容される。

カサノパス

戦車や敵陣地の破壊のために使用されたもので、ケースに収容した爆弾を束ねたもの、集束爆薬である。工兵将校によって開発され、工場生産された正式兵器である(現地で手作りされた物もある)。束ねた爆薬ケースに木製の柄が取り付けられ、柄の中の点火栓によって点火された。爆薬重量の異なるいくつかのバリュエーションがあった。

T-26軽戦車

T-26軽戦車

イギリスのヒュッカース6t戦車のライセンスを得て、ソ連で生産、発展型が作られた戦車で、劇中に見られるのは最終型の1939年型である。第二次世界大戦期にはもう旧式と言って良かった。冬、継続戦争中にもフィンランド軍にも多数が捕獲されて使用された。

T-34中戦車

T-34中戦車

第二次世界大戦を前に開発された中戦車で、主砲に76.2㎜砲を装備し、車体には傾斜装甲を採用、大出力のエンジンと幅広の履帯を備えていた。攻撃力、防御力、機動力全てに優れた傑作戦車で、世界の戦車発達の新しい時代を作った。劇中に見られるのは初期型の1940年型である。フィンランド軍も少数を捕獲して使用した。

まとめ

いかがでしたでしょうか。なかなか知ることが無かったフィンランド軍の装備。是非、スクリーンでもご覧になってみてください。映画「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」は6月22日(土)新宿武蔵野館にて公開されています。

公式サイト:http://unknown-soldier.ayapro.ne.jp/

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