トム・クランシー原作の世界的ベストセラー小説「ジャック・ライアン」シリーズの最新作ドラマ『 ジャック・ライアン 』の新しいシーズンが始まった。 「LOST」「プリズン・ブレイク」の製作陣がドラマ化した作品になり、 CIA分析官のジャック・ライアンが世界的なテロリストを追いつめるアクションサスペンスドラマになる。同作はAmazon Primeオリジナル作品になり、2018年にシーズン1、2019年11月よりシーズン2の配信が始まり、既にシーズン3も決定している。 だが、主人公のジャック・ライアンはこのドラマだけの登場人物ではない。実は同作は長きに渡って映画化された人気シリーズになる。
ジャック・ライアンの経歴
ジャック・ライアンはボルチモア警察の刑事と看護師の間に産まれる（初期の設定は1950年生まれ）。大学卒業後に米国海兵隊に入隊すると少尉として小隊リーダーまで務めるが不慮の事故により除隊することになる。在学時に公認会計士の資格を取得しており、除隊後はウォール街で株トレーダーになる。その後、米国海軍士官学校の文民歴史学教授を経て、アメリカ中央情報局（CIA）に情報分析官としてアナリスト、時にはフィールド担当官として現場にも赴いた。最終的にはCIA副長官まで昇進するがその後、職を辞する。その後、国家安全保障担当大統領補佐官および副大統領を務めた後、米国連邦議会議事堂へのテロ攻撃により、突然米国大統領に就任する。ライアンはその後2期に渡り大統領を務め、主にヨーロッパ、中東、アジア、アフリカの国際危機に対応した。
アマゾンプライムのドラマはCIA分析官時代のストーリーになる。
ドラマ『ジャック・ライアン』ストーリー
シーズン1
シーズン1は、元金融マン、CIA分析官のジャック・ライアンがT-FAD”（テロ資金・武器対策課）に配属されテロ組織の金の流れを追っているところから始まる。金融街で培った鋭い分析力でスレイマンという名の台頭する過激派によって行われている一連の疑わしい銀行振込を発見する。発見した当事者ということもあり上司のジェームズ・グリーアに半ば強引にイエメンに連れていかれる。金の流れを知ると見られる人物を米軍基地内で尋問中に基地が民兵の襲撃を受けてしまう。基地内に侵入した民兵により尋問の相手に逃げられてしまう。その人物こそスレイマン本人だった。そこからジャックは西側諸国への復讐を狙うテロリスト、スレイマンの計画を阻止すべく彼を追って世界中を駆け回ることになる。 しかし、それまでデスク仕事が主っだのがフィールドへ移ったことで彼は苦悩することになる。ジャックは分析官だが、元海兵隊員になり、銃器の扱いや格闘もプロフェッショナルで荒事もこなせる。しかし、彼が使うのは頭脳だ。中東への従軍経験と分析官としての知識と情報を巧みに操ることでテロリストから情報を引き出す頭脳戦はジャック・ライアンの見どころになり、頭脳でスレイマンを追い詰めていく。
トム・クランシー／CIA分析官 ジャック・ライアン シーズン1 (字幕版)
シーズン2
ジャック・ライアンはある船がベネズエラのジャングルに違法銃器を運んでいると思われる情報をつかみ、追跡調査のために南米へ赴く。モスクワ支局に居たかつての上司グリーアもベネズエラの不穏な動きに気づき、ベネズエラ支局に異動してきてライアンととグリーアのコンビが復活する。現地での調査を進めるとジャングルの中にPMCが守る怪しい採掘場と収容所を発見する。事件の核心に迫るにつれ、真相が明るみになることを恐れたベネズエラ大統領による激しい妨害をうける。 事態はアメリカとベネズエラだけではなくイギリス、ロシアをまたにかける大事件へと発展する。密輸事件の裏に隠されていたのは、崩壊寸前の国家の姿と、ベネズエラ大統領の恐ろしい陰謀だった。殺人、謀略、裏切りが蔓延るベネズエラでそれに立ち向かうジャックとその仲間たちの激闘が繰り広げられる。
トム・クランシー／CIA分析官 ジャック・ライアン シーズン2 (字幕版)
ジャック・ライアンシリーズの映画
ジャック・ライアンシリーズは 、ドラマだけではない。『レッド・オクトーバーを追え！』（1990）、『パトリオット・ゲーム 』（1992）、『今そこにある危機』（1994）、『トータル・フィアーズ』（2002）、『エージェント：ライアン』（14年）と、過去5回にわたって映画化されており、ドラマは6作目のライアンシリーズになる。俳優はアレック・ボールドウィン、ハリソン・フォード、ベン・アフレック、クリス・パインと蒼々たる俳優陣がライアンを演じている。今ドラマでライアンを演じるのは『13時間 ベンガジ秘密の兵士』『クワイエット・プレイス』に出演したジョン・クラシンスキーになる。
レッド・オクトーバー追え！
冷戦時代、ソ連のマルコ・ラミウスはソビエト海軍の潜水艦司令官で乗艦する「レッド・オクトーバー」はソ連最新のタイフーン級原子力潜水艦であった。彼はソ連の現体制に不満を持ち将校とともにアメリカへの亡命を画策していた。数年前に大使館でラミウスと短時間会ったことがあるジャック・ライアンはラミウスの経歴と、レッド・オクトーバーの革命的なサイレントジェット推進駆動システム の恐ろしい新機能について政府上官に語った。ライアンはこのリトアニア人の船長が西側諸国を攻撃するよりも、亡命を望んでいるかもしれないことを認め、ライアンは彼と連絡を取り合い、ラミウスと乗組員を潜水艦とともにひそかに米国に送り込み、亡命を成功させるために扮装する。
パトリオット・ゲーム
CIA分析官を辞職し、アメリカ海軍兵学校の教官となったジャック・ライアンは家族とともにロンドンを訪れていた。そこでライアンはイギリス王室のホームズ卿と彼の家族がアイルランドの過激派による誘拐現場に遭遇する。彼は一人の襲撃者を殺し、もう一人を負傷させて誘拐を阻止し、その過程で負傷する。ライアンが負傷させたアイルランド人のショーン・ミラーは終身刑を宣告されたが、彼の同胞たちによって解放される。ライアンによって誘拐計画が失敗し、兄が殺されたことに激怒したミラーは、復讐のためライアンを襲撃するも失敗。しかし妻と娘が重傷を負うことになる。ライアンは、家族のため、彼らの生き根の止めるためCIAに復職する。
今そこにある危機
ジャック・ライアンは、上司のグリーア情報担当次官が入院中の間、職務を代行する中、麻薬戦争の対抗策として、大統領とカッター国家安全保障担当大統領補佐官、CIAは、軍と共同しての麻薬密輸阻止作戦を展開していた。しかし、コロンビア訪問中のFBI長官がカルテルに殺害されたことに激怒した米大統領は、強硬策に出て麻薬精製工場の破壊やカルテルのボスたちの暗殺を命じた。しかし、これにより、アメリカ政府の関与が国民に知られる危険性が出たためカッターは、真相の隠蔽と麻薬の密輸量削減と引き換えに、コロンビア領内に潜入した軽歩兵部隊への支援を絶ち、情報をコロンビアに渡してしまった。現地で作戦を支援していたCIA工作員のジョン・クラークは、部隊が支援を絶たれて壊滅に瀕していることを知って急遽帰国し、グリーアの手助けのもとライアンと出会い、共にカッターに知られぬよう事態打開のため奔走する。
トータル・フィアーズ
ジャック・ライアンは同名の小説ではCIA副長官の設定だが、映画では若きCIA分析官の設定になっている。 ロシアの大統領が急死し、ネメロフが新大統領になった。 唯一ライアンだけ彼を次期大統領と予想しており、ライアンはキャボットCIA長官の助手として関係改善のためロシアへ飛ぶことになる。しかし、そこでアメリカに核爆弾が持ち込まれていることを知る。時すでに遅くメリーランド州ボルチモアで行われているフットボールの試合で核兵器が爆発。しかし、これはネオナチによる米国とロシアとの戦争を起こすために計画されたテロだった。ライアンは米露による核戦争を防ぐため彼らの計画阻止と真相を突き止めるために扮装する。
エージェント：ライアン
大学に在学していたジャック・ライアンはアメリカ海兵隊に入隊し、アフガニスタンで戦うが、ヘリコプターが撃墜されて脊椎を損傷する。療養中に、CIAのトマス・ハーパーに会う。10年後、ライアンは表向きウォール街の金融マンとして働きながら、密かにCIAのためにテロリストの資金の流れを追っていた。その中でロシアの億万長者のヴィクトル・チェレヴィン不審な金の流れに気づく。ライアンはCIAに調査のためにエージェントを派遣するように伝えるハーパーから自身で調査をするよう命じられる。ライアンは監査のためにモスクワに行くが着いた途端、暗殺者に命を狙われるハーパーの助けもあり危機を脱し、調査を続ける。初のフィールドワークにライアンは困難に直面するもチェレヴィンのテロ計画を知ることになる。
ドラマシリーズにハマった人は是非、映画作品もご覧になってはどうだろうか？
