APC9|米軍が採用するサブマシンガン

APC9|米軍が採用するサブマシンガン
©B&T AG

9mmピストル弾を使用するサブマシンガン(SMG)は戦場で使用するには威力が弱く、現代では軍に採用されることは少なくなりました。しかし、APC9サブマシンガンは2019年に米陸軍、2020年は米空軍に採用されるなど、最近では珍しく新規で軍に採用されたサブマシンガンです。

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概要

B&T APC9はスイスの銃器メーカー”ブリュッガー&トーメ(Brügger & Thomet)”によって2010年に開発されました。9x19mmパラベラム弾を使用する最先端のSMGの一つで、法執行機関、警察特殊部隊の要求に応えるように設計され、究極のパフォーマンス、信頼性、および精度を実現し、各国の警察に採用されています。

APC9|米軍が採用するサブマシンガン
©B&T AG

特筆すべきはコンパクトなサイズで、ストックオープン時で597mm、ストックを畳むと385mmしかなく、秘匿携行に優れ、狭い場所でも抜群の取り回しをほこります。発射速度は1080発/分と高い致死性も有しています。マガジンサイズは15/20/25/30発があり、マガジンは半透明のポリマー製で残弾を一目で確認できます。グロックのマガジンを使用できるAPC9 Gや、威力の高い.40 S&W弾を使用できるAPC40などいくつものバリアントが出ています。

ARROW ARMS APC9-K 電動ガン

最先端のSMGということもあり、航空部品にも使われる複合合金や強化ポリマーが使用され、耐久性と軽量化の双方を実現。最新の人間工学を取り入れ、クローズドボルトの作動方式は振動が少なく特にセミオートで高い精度を発揮します。

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アメリカ陸軍・空軍が採用

米陸軍は2019年4月にAPC9を採用しています。戦場では使うには威力不足なので、兵士の標準装備ではなく、要人・上級士官の警護を目的とする要人警護用武器(Personal Security Details:PSD)して使われています。2018年、米陸軍では巻き添え被害を最小限に抑えながら、近距離での致命的かつ正確な射撃を行え、隠蔽性が高く、脅威となる勢力と交戦できるサブコンパクト兵器システムを求めていました。B&T、ベレッタ、SIG SAUER、Colt、ヘッケラー&コッホの5社の銃が検討され、APC9が採用されます。APC9はセレクターやマガジンキャッチが米軍標準ライフルのM4/M16と同じであり、兵士はこれまで使ってきた銃と違和感なく運用できます。2020年11月には米空軍がこれまで使用してきた治安部隊用のMP5に替わる銃としてAPC9を採用しています。

ベストセラーになったヘッケラー&コッホ社のHK MP5サブマシンガンは誕生から半世紀以上が過ぎており、MP5の次のSMGして各国でAPC9の採用が進んでいます。

スペック

口径9mm
重量2.5㎏
全長597mm
385mm(ストック折畳み時)
銃身長(バレル)175mm
弾丸9x19mmパラベラム弾
装弾数15/20/25/30発
発射速度1080発/分
射程100m
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