米空軍が最初のAT-6Eウルヴァリン軽攻撃機を取得

Photo by US Air Force

アメリカ空軍は2月17日、最初のAT-6E Wolverine(ウルヴァリン)軽攻撃機の最初の一機が納入されたことを発表した。

米国ロード・アイランド州に本社を置くTextron航空の一部門であるビーチクラフト社によって開発されたAT-6Eは陸海空軍で既に運用されている非武装モデルのT-6 TexanIIの変形モデルで軽攻撃と諜報、監視、偵察(ISR)任務用に開発された機体だ。

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同盟国支援のための航空機

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AT-6EはAirborne Extensible Relay Over-Horizo​​n Network(AEROnet)と呼ばれるシステムを提供、サポートする目的で開発された。AERONetは同盟国・友軍をデジタルでリンクし、彼らの場所、他の友軍の場所、およびリアルタイムで敵の動きの情報を提供するシステム。これは国境パトロールで、密輸業者を追跡する法執行機関によっても使用されているシステムで、空軍研究所によって改良されたものが搭載されているいる。AT-6Eは通信のために機首上部に通常衛星通信システムのため突出した円形アンテナが搭載され、ARC-210無線/ VHF / UHF / AES暗号化/ SATCOM /イリジウムセル衛星/ AERONet /フルモーションROVERビデオ/ GPS精密アプローチなどを備えた一連の通信機能が搭載されており、映像、音声、チャットと様々な通信手段でデータを共有する。

安価な軽攻撃機

この時代に新しい攻撃機がプロペラ機とは珍しいが、AT-6Eは安価で効率的に航空作戦能力を提供するために開発された。高度化が進む軍用機だが、その分、調達、訓練、保守費用はここ数年増大している。その点、AT-6EのベースになっているT-6 Texan IIは既に陸海空軍で運用されており、パイロットの訓練は最小限で済む。その上、T-6・AT-6は多種多様な戦闘機のニーズに対応するために設計された多任務航空機システムで、航空機パイロットの95%に対応しており、ほぼ全てのパイロットが操縦可能とされる。

AT-6Eの飛行1時間あたりのコストは1,000ドル未満と軍用機の中でも格安で、T-6 Texan IIと85%の部品共通性があり、メンテナンスも効率化される。

©2021Textron Aviation DefenseLLC

AT-6Eは、驚異的な数の武器と燃料タンクの構成することができ、兵器構成はさまざまな精密誘導ミサイルやロケットやガンポッドを搭載。前線航空管制(FAC)のSOCOM武装監視要件を満たす35の兵器構成を備えている。2.75インチのレーザー誘導ロケットの採用に成功した最初の固定翼航空機でもある。

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AT-6EにはL3 WescamMX-15 Dマルチセンサースイートが搭載されている。このマルチセンサースイートは、カラー・IRカメラ、レーザー指示器、レーザー照明器、レーザー距離計を含んでおり、これを使って地上部隊に精密な航空打撃支援を提供する。

エンジンとコックピット周りは装甲で保護され、破片、小火器の弾丸を防ぐ。イギリスのマーチンベーカー社のUS16LA射出座席に乗員の生命は保護されている。

L3 WescamMX-15

主な配備地域は中東やアフリカか

A-10サンダーボルト(US Air Force)

AT-6Eは安価な分、スピード、対空、防御能力は他の戦闘機と比べて弱く、対戦闘機、対空ミサイルには脆弱と見られる。だが、AT-6Eおもに非対称戦争といわれる、テロ組織や民兵といった非正規軍との戦闘地域への配備を念頭に開発されたものと考えられる。非正規軍の武装組織は航空戦力や対空誘導ミサイルをもっておらず対空能力が弱く、航空戦力に対する脅威が少ないので、高価な航空戦力を投入する必要がない。実際、中東での紛争では既に配備から40年以上が経った旧式のA-10サンダーボルト攻撃機が対地攻撃任務で活躍しており、退役予定が延長されている。

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Source
https://defense.txtav.com/en/at-6

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